【超絶、役立つ。】日本語教師におすすめの参考図書!厳選7冊紹介

こんにちは。のりまき、です。

早速ですが。教案、書いてますか?

いや、書けていますか?

適当な例文が思い浮かばず、教案を書く手が止まってしまうことって、よくあります。

そして、そのまま時間だけがズルズルと過ぎていく…。

例文を考えるとき、あなたはどうしていますか?

何も考えることなくスラスラ思い浮かぶという人、相当です。

文法的に正しいことはもちろん、使い分けもちゃんと出来ていて、かつ学生がスッと理解できるような例文作れますか。

まあ、難しいですよね。

普通は何かにすがりたくなるものです。というか逆に何も見ずに作ってしまうことの方がリスキーです。

そこで、今回は教案作成を始めとする授業準備やブラッシュアップに超絶役立つ、日本語教師なら必携の「参考図書」7選をご紹介します。

日本語教師歴もうすぐ15年という私自身が駆け出しのころから、お世話になって来たものばかりです。

ググったあとでも構いません。辞書引いてみましょ。

文型辞典2冊

  • 教師と学習者のための日本語文型辞典  くろしお出版
  • どんなときどう使う日本語表現文型辞典 アルク

類語辞典2冊

  • 日本語類似表現のニュアンスの違い例証する「類義語使い分け辞典」 研究社
  • 日本語類義表現使い分け辞典  研究社

◆表記系ハンドブック

  • 新しい国語表記ハンドブック  三省堂
  • 記者ハンドブック       共同通信社

◆国語辞典

  • 広辞苑   岩波書店

おすすめ参考図書 ★文型辞典★

第1冊目:教師と学習者のための日本語文型辞典 

おすすめ参考図書まずは、こちら。

教師と学習者のための日本語文型辞典  くろしお出版」です。

初版発行は1998年と20年以上前。この辞典の良いところは、とにかく文型(表現ごと)の例文が豊富なこと。その例文も日本語能力検定における1・2級(N1・2)の文型や新聞、雑誌、小説などからも集められているので、場面やトピックを考える際の参考にもなります。表現についての解説も簡潔にまとめてあり、読みやすいです。

また、索引がとてもユニークで、通常の50音索引に加え、意味・機能別索引(たとえば「結論」という機能なら、かくして、けっきょく、ついては…など機能別にまとめられている)が出来たり、さらには末尾語逆引き索引(たとえば、文末が~だろう、であれば「まさか…ないだろう」のように、それにつながる表現が全てまとめられている)まであったりします。

タイトルにもあるようにこの文型辞典は、学習者というより教師向き、初級というより中上級レベル向きであるということです。私がまだ非常勤講師のころ場面・例文作りに苦労していたとき、先輩教師に紹介され購入。以来、片時も離さず側に置いています。

ISBN:978-4-87424-154-7 C3081

第2冊目:どんなときどう使う日本語表現文型辞典

文型辞典続いてはこちら。

どんなときどう使う日本語表現文型辞典 アルク」です。

この1冊で日本語能力試験のN1~N5までの重要文型をほぼカバーしており、まさにキングオブ・文型辞典とも言える1冊です。

各文型の意味説明も簡潔。翻訳も英語、中国語、韓国語があり、ベトナム語は別途ダウンロードという形でついています。先に紹介した教師と学習者のための日本語文型辞典」がどちらかというと教師向きだったのに対し、こちらは学生向きと言えるでしょう。かんたんに言えば、日本語能力試験に特化した辞典ということ。出てくる例文も、非常に汎用性が高く、そのまま授業で使ってしまいたくなる様なものも多いです。事実使いました…。

とにかく手軽にサクッと文型や例文の確認がしたいとき、それも全レベルで、これはおすすめです。

ちなみに、この「どんなときどう使う」は、ほかにも以下2冊シリーズ本がありますので、かんたんに紹介しておきます。というより本来、こちらの方が先に出ていたわけですけど。

どんなときどう使う日本語表現文型500」:N1~N3の中上級レベル向け。文型を機能ごとにまとめています。練習問題が豊富なので、学生に持たせても良いですね。また、この本は、Kindle Unlimited の会員であれば、無料で読めるようです。

改訂版 どんなときどう使う 日本語表現文型200」:N4~N5の初中級レベル向け。こちらも文型が機能ごとにまとめられています。たとえば「時間」という機能では、~とき、~あとで、~てからなど。

おすすめ参考図書 ★類語辞典★

第3冊目:類義語使い分け辞典

続いては、こちらも必携、類語辞典。

日本語類似表現のニュアンスの違い例証する「類義語使い分け辞典」研究社」です。

先生、質問です。「~家(か)、~者、~家(け)、~屋」の違いは何ですか?…と学生に質問されたら、あなたは答えられますか。なんとなくでも説明ができたら日本語教師向きです。でも実際は、なんとなくは分かるんだけど、上手く説明が…といったところだと思います。

この辞典では、その「なんとなく」をスパッと断ち切ってくれます。いやーほんとに。

この辞典があれば、授業中に飛んで来る「AとBの違いは何ですか?」といった学生からの質問に対しドヤ顔で答えられるようになります。その質問、待ってました!みたいな。

この辞典は言葉の意味的な違いについてとにかく詳細に説明されているという点です。例も豊富です。何度、この辞典に助けられたことか。感謝しかないです。唯一のネックは少々お値段がお高いということです。

ですが、お、ねだん以上。は間違いないので、「飲み会+しめのラーメン代」を1回我慢する感覚で投資してみましょう。

第4冊目:日本語類義表現使い分け辞典

続いては、こちらも類義表現辞典。

日本語類義表現のニュアンスの違いを例証する「日本語類義表現使い分け辞典」研究社です。

こちらは先に紹介した辞典の表現版です。たとえば助詞「は」と「が」の区別できますか。この「は・が」の使い分けのポイントだけでも、かなりのページ数が割かれています。文法書は数出回っていますが、まずこの1冊を持っていれば安心です。

この辞典の強みは、「文型」を中心に使い分けの説明がとにかく詳細であるということです。日本語教師が、授業中に学生から受ける質問として多いのは、類似文型や語彙の意味の違いです。予期せぬ質問にフリーズしてしまう前に、事前に文型の意味整理をこの辞典を使い、済ませておきましょう。

デメリットは、やはりお高いという点です。しかも先ほどの類語辞典よりもです。ですがここは日本語能力試験(5,500円)を受験する学生のためを思い投資しましょう。

おすすめ参考図書  ★表記系ハンドブック★

第5冊目:新しい国語表記ハンドブック

続いて5冊目はこちら。                     

新しい国語表記ハンドブック  三省堂です。

これを持っていない、知らない日本語教師はいない!…と信じたい。それぐらいの必携書です。私も養成講座時代の先生に薦められて以降、ずっと新版が出るたびに買い直しています。現在出ているのは第8版で2018年4月から段階的に実施される新「学年別漢字配当表」にも対応。また、国語施策年表が記載されていて、現状の国語施策に関する動向が分かるようにもなっています。

この本は、ごくかんたんに言えば、日本語(国語)の表記に関するルールブックです。日本語教師的にとっては、指導の根拠ともなるものです。送り仮名どうだっけ⁉とか、この副詞って漢字で書く?それとも、ひらがなで書くべき?みたいなことってよく出て来ます。また、例えば、やたら漢字で書きたがる学生や漢字にするとどう書くみたいな漢字学生に対して、ルール(目安)上はこうなっていると明示できるのは本当に助かります。授業の準備だけでなく授業中も携帯すべきだと思っています。お値段も手ごろ。まさに必携。

第6冊目:記者ハンドブック

同じく表記系となりますが、別角度からこちらもおすすめ。

記者ハンドブック  共同通信社です。

こちらも表記のルールブックですが、内容的には先に紹介した「国語表記ハンドブック」と同様、内閣告示などを元にしていますので、重複する部分(それでも微妙に異なる)も多いです。

両者の違いは、こちらの方が記者向け(文章書きがメインの人)であるため、より実践的な作りになっていることです。日本語教師的には、表記に関して網羅されているので、小論指導の際など威力を発揮することになります。個人的には下記の4つ

・「数字の書き表し方」・「誤りやすい語句」・「差別語、不快用語」・「紛らわしい会社名」 

など非常に参考、勉強になりました。日本語教師の知的好奇心を満たす1冊とも言えます。ぜひ。

おすすめ参考図書  ★国語辞典

第7冊目:広辞苑

おすすめ参考図書、最後はこちら。

広辞苑  岩波書店です。

三省堂の「大辞林」と並ぶキングオブ・国語辞典です。おいおい、ここへ来て国語辞典かよ。と思われるかもですが、言葉を職業としているものとしては、必携だと思います。約25万語収録し、2018年には10年ぶりの改訂版が登場しました。

なぜ大辞林(大辞泉)でなく、広辞苑なのかと言われれば、う~ん「慣れ」ということになってしまうのですが、一番古くから出ているという権威性、広辞苑によるとね。みたいな。それと、語源に近い意味から掲載されているという点も様々意見あるようですが、日本語教師が引く語彙というのは、現代語の日常馴染みのある言葉が中心なわけですから、特に問題ありません。

問題があると言えば、そのサイズと重量。重さを量ったら、3.2キロありました。さすがに持ち歩くわけにはいかないので、スマホのアプリもおすすめです。

ただアプリを考慮に入れるなら、大辞林もいいかもしれません。App Storeで2,700円

使い分けとして、紙:広辞苑、アプリ:大辞林 もあり!?両者の比較もできるので。

日本語教師におすすめの参考図書・まとめ

今回は、日本語教師におすすめ、というより必携ともいうべき参考図書をご紹介してきました。

全て持っていて欲しいところですが、優先順位としては1冊目から順にといった感じで。6冊目の「記者ハンドブック」、7冊目の「広辞苑」はプラスαと考えたらどうでしょうか。

駆け出しのころから現在に至るまで、机の上に平積みしておき授業準備のときには、常に見られるようにしてあります。単語や語彙に関しては、その意味など思い込んでいる(本来の意味とは違った意味で)ということもよくあります。親しい単語や語彙ほど辞書で調べることを習慣化したいものです。

また今は、分厚い辞書を携帯しなくても、先に挙げた「広辞苑」や「どんなときどう使う日本語表現文型500」などのように、スマホやタブレットで読めてしまうのですから、ほんとーに素晴らしい時代になりました!