こんにちは。のりまき、です。
突然ですが、人と接していて相手が今何を求めているのか理解できなかったり、逆に自分の求めていることとは違う反応が返って来て戸惑ったりすることってありませんか。もちろん、しょっちゅうではなくても。
そして、その相手というのが外国人なら尚更です。文化的な背景からして違うわけですから当然ですよね。
日本語教師の場合、お客様である学生はもちろん外国人、場合によっては上司だって外国人ということもあります。なので、上記の様なことはほんとによくあることです。
「相手を理解する」ということはひとえに「異文化を理解すること」とも言えます。先ほどの戸惑いは、コミュニケーション力というより、もしかしたら「異文化」についての理解不足にあるのかもしれません。
これからの日本社会は、外国人(労働力)との関わり、付き合いがより強くなることは間違いありません。2019年の4月には、新たな在留資格「特定技能」もスタートしています。
仕事として、外国人を雇用する、あるいは上司や同僚という形で職場に迎えることになったときどう接したら良いのか。特にこれまで仕事上で実際に外国人と関わったことのない方にとっては、非常に大きな問題と言えるかもしれません。
たとえば私の場合などは、外国人学生やスタッフと数多く接するという経験と関連書籍などから、国籍による思考性や行動などの傾向が分かって来た感じですが、もっと理論立てて欲を言えば、外国人と接する技能の証明のようなものがないかと思っていたわけです。
そうしたら、あったんです。
「異文化カウンセラー認定講座」なるものが。
「日本語教育能力検定」は日本語を「外国語」として教える資格。
それに、加え「異文化カウンセラー」という対外国人専門のアドバイザーのような肩書が加わったらどうでしょう。
もう、わくわくしませんか。
1、異文化カウンセラー認定講座とは?
異文化カウンセラー認定講座なんて日本語教師養成講座以上に聞きなれない言葉ですが、それもそのはずこの「異文化カウンセラー認定講座」は、2020年に国際コミュニケーション支援協会が外国人人材を支える取組みとして新たに開講した講座の名称のことです。
「講座」とはなっていますが修了すると「異文化カウンセラー資格証」という資格が取得できます。
そう、「資格」なんです。もちろん民間の。ちなみに日本語教育能力検定も民間の資格です。
この「異文化カウンセラー認定講座」の中身がどういうものなのかと言うと、日本で働いている外国人の方々と日本人が円滑に、また適切にコミュニケーションが取れるようになることを目指した講座ということです。
これだけだとなんか抽象的な感じなので、この資格が出来た背景をきちんと押さえておきましょう。そうすれば、この資格を持つことの意味や資格の性質も分かるのではないでしょうか。
ではその背景とは何なのか。まず下のグラフを見てください。厚生労働省が公表している外国人労働者の現状です。
ご覧の通り、外国人労働者の数は年々増え続けていることがお分かりかと思います。そして、この流れは2019年に新たに運用が始まった在留資格「特定技能」により今後ますます加速していくことは間違いありません。
特定技能…2019年4月から始まった新しい在留資格のこと。人手不足が深刻な産業で、外国人を人材として雇用し、受入れることが可能になった。人出不足解消が目的。
次に2つ目として、「技能実習制度」の問題があります。
外国人技能実習制度…1993年に創設された制度で外国人技能実習生が、日本で企業などと雇用関係を結び、出身国で習得が困難だった技術・技能を習得する制度。国際貢献が目的。
外国人技能実習制度創設の趣旨・目的は「国際貢献」です。しかし、実態はどうなのか。つい最近も以下の様な記事が出ていました。
技能実習生として来日したベトナム人が、劣悪な労働環境に耐えかねて実習先から失踪するケースが急増している。正規の仕事に就けず行き場をなくして犯罪に手を染めたり、新型コロナウイルスの影響で実習先が破産したり経営難で解雇される事例も起きている。国は実習生の転職を認める特例措置を設けるなど対応に乗り出しているが、安価な労働力として実習生を利用し続けてきた日本の「ゆがみ」も透ける。(飯嶋彩希)
引用元:THE SANKEI NEWS
https://www.sankei.com/premium/news/201220/prm2012200008-n1.html
こちらのニュース記事を読めば、「技能実習生」の中には、悲惨な状況で働かされている人たちも大勢いるということがよく分かります。制度開始から現在に至るまで、法的にもかなり整備されて来ていますが、それでもなおこの様な問題が依然として続いています。この技能実習生に絡んだ問題は非常に複雑なものですが、その一つの要因として、受け入れ先企業と外国人との間の文化的相違による意思疎通の難しさもあるのではないでしょうか。
つまり異文化カウンセラーとは、これから外国人スタッフを迎え入れようという企業が、その外国人スタッフとの間で、相互理解を深め健全な関係が構築できるように働きかける人と言えます。
ごく簡単に言えば、職場における外国人スタッフとの調整役、またはアドバイザーということです。そして、そこに正式的な資格が与えられたと考えたら分かりやすいと思います。
もちろん、この異文化カウンセラーの設置が即、問題の解決ということにはなりません。
しかし、外国人スタッフとどう接して行けば良いのか分からないといった企業の方や、日本語教師で現場レベルで学生と接している方、一考の余地は十分にあると思います。
外国人スタッフのいる企業様必見!【異文化カウンセラー認定講座】
3、「異文化カウンセラー資格証」を取得すべき人とは。
では異文化カウンセラー認定講座を修了し、異文化カウンセラー資格証を所持することで効果が期待できそうな人とはどんな人なのでしょうか。そのステータスを5つ。
- 特定技能所属機関、技能実習生を受け入れている企業の方
- 登録支援機関の方
- 就職活動中の方(特にIT系、外資系、語学、介護職など)
- 今現在の職場に外国人が多く、彼らの考え方、接し方に悩んでいる。
- 日本語教師(現役・志望含む)の方
1つ目は、やはり何と言っても特定技能、技能実習を受け入れている企業(担当者)の方。そして、2つ目として登録支援機関の方でしょう。
登録支援機関とは。
外国人を直接雇用するのが特定技能所属機関です。本来ならば、雇用した会社が外国人の面倒(支援)を見るべきですが、とはいえなかなか自社ですべてをサポートするのは難しいことです。
そのため、雇用した外国人の支援を登録支援機関に委託し代行してもらうことが可能となっています。
3つ目の就職活動中の方であれば、コミュニケーションスキルの証明として。4つ目は、普段から外国人と接していて何らかの悩みを抱えている方。4つ目は、日本語教師としての幅を広げるため。
以上のいずれかに当てはまる様なら、取得する価値が多いに有りだと言えます。
2、異文化カウンセラー資格証を取るメリット
メリット①:外国人とのコミュニケーションスキルや調整力を資格として証明できる。
日常、外国人と接する、あるいは外国人が多く在籍している企業などに就職を希望した場合、まず第一に語学力を求められるケースは多いと思いますが、そこに、プラスしてこの異文化カウンセラーを所持しておけば、他者との差別化につながります。
たとえば、国際コミュニケーション支援協会ではその取得メリットとして以下のような悩みを解決できるとしています。※( )内は日本語教師の悩みに置き換えてみたら、ということです。
・外国人スタッフと対面で話す事が出来ていない… → 話せるようになる!
(外国人留学生と対面で話すことが出来てない…)
・外国人スタッフの気持ちを理解デキていない… → 理解できるようになる!
(外国人留学生の気持ちを理解デキていない…)
・文化や考え方の違いが障壁になり打ち解けられない… → 打ち解けられるようになる!
(外国人留学生や外国人スタッフの文化や考え方の違いが障壁になり打ち解けられない)
・外国人スタッフと信頼関係が築けていない… → 信頼関係が築けるようになる!
(外国人留学生や外国人スタッフと信頼関係が築けていない…)
・外国人スタッフが仕事を楽しめていないと感じる… → 楽しめるようになる!
(外国人留学生や外国人スタッフが勉強や仕事を楽しめていないと感じる)
・外国人スタッフの離職率が高い… → 長く在籍してもらえるようになる!
(↑はずばり、そのまま)
・職場の人間関係の満足度を高めたい… → 満足度を高められる!
(↑はずばり、そのまま)
・会社に対して信頼感、安心感を持ってほしい… → 安心感を持ってもらえるようになる!
(学校に対して信頼感、安心感を持ってほしい…)
外国人スタッフのいる企業様必見!【異文化カウンセラー認定講座】
メリット②:実際の仕事に活かせること。
仕事上外国人と付き合いがあるという方、それが客であれ、同僚であれ、彼らと接していて何かしらの悩み・不満を抱えていれば、この講座を受講することで気づき、学びが得られ改善できる可能性があるということです。
特に、「特定技能」絡みで増える外食、製造、介護などで働いている方にとって、同僚としてだけではなく労働者として外国人をマネジメントしなければならない場面が今後ますます増えていきます。
その時に、異文化を理解・尊重しつつコミュニケーションが取れるということは、業務を円滑に進めていくのに必須なスキルと言えるのではないでしょうか。外国人材を受け入れている企業の人事の方など。
また、私の様な日本語教師(現役・志望)の方にとって、日々の文法分析とは別に異文化理解という点について、改めて学び直すのにちょうど良いと思います。また、資格にもなりますし。
まさに、今の私のことです。
メリット③:最短1か月で資格取得が可能。
異文化カウンセラー認定講座をいざ受講しようと思っても、資格取得までに何か月、何年と時間がかかってしまっては意味がありません。この講座は教材が最初にまとまって届くので、ご自身の取り組み方次第では1か月で修了が可能です。時間的余裕のない社会人の方でも3か月あれば無理なく修了できる内容となっています。
メリット④:履歴書に書ける。
異文化カウンセラーは”履歴書”に書けます。そして、取得後は冒頭の「特定技能」14業種にトライしてみても良いかもしれません。なぜなら、今後、外国人材が大幅に増えることは間違いないからです。
特定技能14業種と職種
- 介護
- ビルクリーニング
- 素形材産業
- 産業機械製造業
- 電気電子情報関連産業
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
そして、こちらが個人で異文化カウンセラー認定講座を修了(取得)した場合の資格証と認定証です。
さらに企業向けにも、以下の様な資格保持者常駐企業証明シールが付与されます。資格保持者が5人いればゴールド、3人以上でシルバー、1人いればブロンズとなります。これがあることで、国際コミュニケーション支援協会よりダイバーシティ推進企業として承認されたことになるわけです。
3、「異文化カウンセラー認定講座」受講カリキュラム
異文化カウンセラー認定講座の肝は次の2点です。
- 「多様性の理解」
- 「カウンセリングの技法」
カリキュラム(テキスト)内容は、第1章から第9章まで。カウンセリングの基本から心理学、精神医学の基礎、外国人材を取り巻く現況、異文化理解そして労務管理と幅広いものとなっています。テキストの分量は約100ページ、当然、専門用語など多いですが、内容的には読みやすく最短1か月で修了可能というのも納得です。
日本語教師の方なら日本語教育能力検定の出題範囲と重複する部分がかなりあるので、余計に受講しやすいですね。ラポート・トーク、リポート・トークとか、菊と刀のルース・ベネディクトとか。
ちなみに受講費用も日本語教育能力検定の検定対策講座と同じぐらいです。費用は後ほど。。。
そして、1章が終わるごとにWeb上で到達度テストを受けることができ、その章で学んだことをきちんと理解できているか確認できるようになっています。
- カウンセリングの基本
- カウンセラーとは。
- カウンセリングの系譜
- カウンセリング・プロセス
- 聴き方のテクニック
- 来談者中心療法
- マイクロカウンセリング
- 基本的かかわり行動とクライエント観察
- ラポート
- 面接の5ステップと聴き方のテクニック
- 心理学と精神医学の基礎知識
- こころとからだのメカニズム
- パーソナリティ・アセスメント
- 精神医学の基礎知識
- 認知行動療法
- 異文化カウンセラーに期待されること
- 外国人労働者増加の背景
- 外国人労働省のメンタルヘルスおよび生活支援
- 外国人労働者を受け入れる職場への教育と環境改善支援
- 外国人労働者のキャリアチェンジ支援
- 日本式コミュニケーションからグローバルコミュニケーションへ
- 異文化カウンセラーの行動規範と倫理
- コンプライアンスと行動規範
- 異文化カウンセラー倫理綱領
- 異文化理解【前編】
- ダイバーシティとSDGs(エスディージーズ)
- 沈没船ジョーク
- 文化とは何か
- 世界のリーダーシップ
- 異文化理解【後編】
- CQ
- 日本という国の理解
- 日本と東南アジア諸国
- 育成とフィードバック
- 上司の役割とSOC
- 感情マネジメントとフィードバック
- ハラスメントとアサーティブ・コミュニケーション
- 労務管理の基礎知識
- 産業社会の動向と変化
- 外国人の在留資格と就労ビザ
- 知っておきたい労働法規
- 労務管理の基礎知識
- 外国人が利用できる社会福祉制度
4、異文化カウンセラーになるには? 受講費用・認定試験・申し込み方法など。
では、この異文化カウンセラーになるには、どうすればなれるのか。
たった一つ。
「異文化カウンセラー認定講座 」という通信教育を受講することです。
異文化カウンセラー認定講座の受講費用
- 受講費用 ・・・ 150,000円
- 理解度試験費用 ・・・ 20,000円
- 認定試験費用 ・・・ 30,000円
合計 200,000円(税別)
資格取得応援価格 150,000円(税別) ※毎月先着20名限定
異文化カウンセラー資格証は2年間有効。 更新費用10,000円
①の受講費用は本編の講座代金、②は各章ごとに実施される到達度テスト代、③は最終の認定試験代となっています。さらに、企業単位で申し込んだ場合は以下の通りです。
さて、この異文化カウンセラー資格証。
取得するまでの費用については、高いかどうかで言えば、正直、高いと感じる方もいるかもしれません。
しかし、これには受験料以外に受講費用も含まれての金額です。たとえば、簿記2級のようなメジャーな資格を例にとれば、資格学校での受講費用は10万円前後、それに受験料が4,720円です。
私たち日本語教師にとって必須の資格である日本語教育能力検定で言えば、受験料は10,800円、その対策講座を受講したとすれば、こちらもスクーリングの場合で80,000円から100,000円前後といったところ。
資格取得に際しての難易度で言えば、上記2つの資格と比べれば容易(そもそも異文化カウンセラーは、比較対象を想定していない資格ではありますが)です。つまり、受講すれば取得できる資格とも考えることができるわけです。
それに、今後の資格としてのニーズの高まりを考えれば、投資する価値は十分にあると言えます。
それでもやはり一括払いは厳しいという(私の様な)方は、分割での支払いも可能で各クレジット会社によってにはなりますが、たとえば24回で!ということもOKです。
また、資格とは別に企業に対し訪問研修も実施しています。
外国人材とどう接し、同じ会社の一員として期待される姿勢など、一般的な知識を身に着けられるものです。
- 法人研修費用 ・・・ 300,000円/20名まで
※以降、1名ごとに1万円追加
異文化カウンセラー認定講座の認定試験
受講料と同じぐらい気になるところの認定試験についても、確認しておきます。
先にも述べましたが、まずはテキストベースで学び9章まであるカリキュラムをこなします。そして、1章ごとに実施される到達度(アチーブメント)テストをオンライン上で受けます。到達度テストは落とすためのものではないので問題ありません。
そして、その後に晴れて認定試験を受験します。
最終の認定試験は、実際に外国人スタッフを相手に模擬カウンセリングを行い、その様子を後日ビデオ審査して判定となります。
認定試験は月2回程度で実施されます。やはり、なにより異文化カウンセラーを名乗る以上、認定試験は実際に外国人相手に行われるという点には納得です。また、落とすことを目的にした試験ではないという点も、いわゆる合否で白黒はっきりする資格試験とは異なります。
異文化カウンセラー認定講座の申し込み方法
申し込みも非常にかんたんです。
こちらのHP「異文化カウンセラー認定講座 」から「お問い合わせ」を選び、下記フォームに入力するだけです。
5、まとめ
いかがでしょうか。
外国人材が今後ますます増えて来る中、彼らをサポートできる人材も当然必要となって来ます。
「異文化カウンセラー」は、まさにこれからの令和の時代にこそ、ふさわしい資格と言えるのではないでしょうか。
さらに、この異文化カウンセラー認定講座を管理している国際コミュニケーション支援協会では、国際カウンセリングプラットフォームとして「希望の電話」を開設準備しているそうです。
資格取得後に、この「希望の電話」が開設されたら、講師として登録ができ日本で働く外国人スタッフのカウンセラーとして活躍ができます。
これからは「複」業の時代です。
【異文化カウンセラー認定講座】