【保存版】採用担当が教える日本語学校の模擬授業 完全攻略ポイント10選

こんにちは。

コロナ禍によって、いま日本語業界はかつてない試練のときにあります。

まさに存続の危機を業界全体が迎えているわけです…。

とはいえ、これはあくまでコロナ禍という一過性のもの。いつまでもこの状況が続くわけではありません。日本語業界はそれまで、2019年の日本語教育推進法の成立や、公認日本語教師という国家資格の創設など、上り基調にあったわけですから。

あと、数か月何とか持ちこたえることができれば…と、切に願う現役日本語教師ののりまき、です。

元・日本語教師とはならないよう張り切っていきたいと思います。

さて今回は、アフターコロナに向け、現在日本語教師養成講座に通っていたり、あるいは大学で日本語教育を専攻している方など、将来日本語教師として国内の日本語学校で働きたいと思っている方必読です。

また、現役の日本語教師で他校に鞍替えしようと考えている方にとっても、参考になる内容だと思いますので、お付き合いください。

就職活動における最大の難関ともいえる模擬授業。そこでは実際どんなところを見られ、気を付けたら良いのか?そもそも、模擬授業ってどんな感じで行われているのか。など、よく分かっていないこと、また不安なことって多いと思います。

そこで現役の日本語教師であり、教師の採用活動も長年担当している私が日本語学校版、入社試験ともいうべき「模擬授業」について、解説していきます。

本記事を読めば

  • 日本語学校における模擬授業とは、一体どんなものか。
  • 模擬授業で採用担当が見ているポイント。そして、その項目ごとの重要度とは。

などなど分かります。

それでは、いってみましょう。

 

日本語学校における模擬授業の形式・内容

模擬授業のポイントについて解説する前に、基本的な形式、内容を確認しておきましょう。

各学校で多少の違いはありますが、大体下記のような形式で行われることが多いです。

  1. 学生役の教師数:2~5人
  2. 模擬授業の時間:30分~50分
  3. テキスト:「みんなの日本語」
  4. 模擬授業で準備するもの(教案・教材など)

①学生役の教師数(専任講師)

 

学生役の教師ですが、3人が基本です。2人だったり、逆に多いときには5人とかだったりする場合もあります。

日本語学校の規模が比較的小さな学校だと、専任講師総出みたいなこともあるようです。もう、そうなるとただただ緊張ですね。

また、学生ということですから国籍なども当然、中国人、ベトナム人、韓国人などその場で決められることが多いです。焦るかもしれませんが、よほど国際色豊かな学校でない限り、その学校に在籍していない国籍の学生であることはありませんので、普通は中国人、ベトナム人、韓国人(ミャンマー人、ネパール人など)でしょう。事前に調べておけば大丈夫です。

もし、聞いたこともないような国籍だった場合、それは嫌がらせです。

学生役教師が3人だった場合の役回りについて。

1人は進行役(ベテラン講師)です。あとの2人は学生役に徹します。

進行役がいるということは、準備した教案(指定された導入範囲)を一字一句全てやるということは、まずありません。たいていの場合、進行役から途中で「はい、では次行ってください。」と指示が飛んで来ます。

ここは素直に従いましょう。

②模擬授業の時間:30分~50分

 

模擬授業の時間は、大体30分~50分と考えておけば大丈夫です。経験者なら、同じ時間に2回(初級と中級or上級)模擬授業を実施する学校もありますので、そうなると60分近くかかることがあります。

実際の模擬授業の時間は上記の通りなのですが、準備するもの(教案・教材)は指定の範囲すべてになるので、ご注意を。

たとえばですが、学校側から「模擬授業の指導範囲が「みんなの日本語Ⅰ14課:て形の導入」で、それを90分で実施してください。」という指示が出たとします。

となれば、当然ですが90分という時間をきっちり使って、どう授業を展開していくのか(授業案)を考え、教案を書いていく必要があります。

補足

日本語学校の授業時間は、法務省の基準により決められています。

へ. 1週間当たりの授業時数が20単位時間以上であること。

ちなみに1単位=45分で、1日=4単位(180分)、週20単位(4単位×5日間)となります。

ですので、日本学校の授業時間というのは、1日(1クラス)あたり3時間ということになります。

③テキスト:「みんなの日本語」

 

テキストについて、これ重要です。

当然ですが各学校によって扱うテキストが違いますので、事前に調べてから応募しましょう。

初学者の場合、日本語教師養成講座で使用する教材(自分が習ってきた教科書)と違う学校だと苦労するかもしれません。もし違っていた場合は、正直に担当者に話して教案指導など受けられるか聞いてみると良いです。

たいていの場合、未経験者採用では教案サポート(教案チェック)はあるはずです。逆にない学校は除外ですね。

今なら学校見学をしたときや、合同採用説明会などに参加したときなど直接担当者に聞いたら良いと思います。事前に調べておき、採用担当にそれとなく○○ですよねアピールしてもあまり意味はないかもです。笑

ちなみに、よく使われているテキスト(初級)はこちらです。

  • みんなの日本語(スリーエーネットワーク)   ど定番。
  • 日本語初級大地(スリーエーネットワーク)   最近取り扱う学校も(大学も)増えてます。
  • 初級日本語 げんき (ジャパンタイムズ出版)    国内というより海外の学校が多いです。
  • できる日本語(アルク)

 

④模擬授業で準備するもの(教案・教材など)

 

模擬授業にあたって、予め準備しておくものはこちら。

  • 履歴書&職務経歴書

→応募の仕方にもよりますが、模擬授業が一次選考である場合は当日持参します。

  • 教案

→事前に指示がなければ、自分のもの1部

  • 教材

文字カード、絵カード、レアリア、50音表、マグネット大小

→忘れたらしゃれになりません。50音表やマグネットなどは学校に用意されていることが多いですが、自分で準備が基本です。

【保存版】採用担当者は模擬授業でここを見ている!

それでは、ここからは実際に採用担当が模擬授業&面接でどんなところを見ているのか。

について、解説していきます。

ここで挙げたポイント(視点)をしっかりと抑えて模擬授業に臨めば、高評価間違いなし。

模擬授業

模擬授業でのポイントは総合と教案に分け、それぞれ5つ。

また教案がよく分からない方については、こちらで詳しく解説してます。

超重要です!

模擬授業における想定レベルは[初級前半]です。みんなの日本語で言えば、14課~25課ぐらい。

参考までに重要度を★で示して見ました。★5が最重要です

 【総合】

 ①表情 ★★★

  ・笑顔が基本(作り笑顔可)、無表情は最悪(緊張で表情が硬くなるのとは別)

   要は先生自身が楽しそうに教えているように見えれば良いんです。

   模擬授業であっても楽しんで教えようという意識は大事。

   笑顔を作ろうとするが、緊張のため表情が強張っていたとしても、それはOK。

  ・視線 学生をちゃんと見ていますか。

 ②声 ★★★

  ・大きくゆっくりと。語尾まできちんと発声しましょう。

   ポイントは教室の後ろに声を届けるように声を出すと良いです。

  ・発話のスピードに注意、自分が思っている以上にゆっくり話すこと。

 ③言葉遣い ★★★

  ・ティーチャートークになっていますか。

   ~です。~ます。以外ない。いつもの調子で、しゃべってしまう人多いです。

   セルフコントロールができない人に、クラスコントロールはできません。

  ・未習語彙を使わない。ほんとーに多いです。未習語彙のオンパレードになってませんか?

   未習語彙は多いということは、はっきり言って分析が出来ていないということです。

 ④板書の仕方 ★★

  ・大きく見やすく丁寧に。ホワイトボードへ書くことに不慣れであれば、練習してください。

   ・導入の済んだ言葉、文型などはその都度消す。

   ホワイトボード上は必要最低限の文字量で。

   文字だらけの人いませんか?最悪です。「書いたら消す」が基本です。

  ・黒、赤、青など色分け工夫していますか。単色になってませんか?

 ⑤指示の出し方 ★★

  ・指示は、はっきりと明確に。堂々と。

   声の大きさ同様、明確でない指示は学生がストレスを感じます。

   良いです。ダメです。~てください。~てはいけません。はっきりと伝えましょう。

  ・注意はきちんとする。~はダメです。  ※模擬授業ではないですが。

 【内容】

 ①場面設定 ★★★★★

  ・導入に適当な場面設定か。そもそも場面設定がありますか。

           例文につながるような話題ですか。

   いきなり、例文を提示してませんか。教科書開かせてませんか。

  ・ウォームアップがあるとポイント高いです。

 ②例文 ★★★★

    ・場面に合ったものになっていますか。

    ・例文としてふさわしいものになっていますか。おかしな日本語になってませんか。

      ・導入例文は1つが基本です。3つも4つも必要ないです。

 ③意味整理 ★★

     ・導入文型の意味整理はできていますか。説明はしますが、最小限に。

  長々と文型の説明をするのは絶対にしてはいけません。

場面さえしっかり作っていれば、文型の基本的意味な理解はできています。

   ・接続は動詞の何形ですか。確認していますか。

 ④ドリル(練習) ★★★★★ ※ドリルについて詳細はこちら

※ドリルはめちゃくちゃ見てます。

 ・テキストではなく。オリジナルのドリルは準備しましたか。

  まさかコーラスだけで終わっていませんか。

  ドリルの種類としては、①変換 ②代入 ③結合 ④前件(後件)作成 ⑤チェーンの5つ。

  この中の2~3種類を使います。1つのドリルにつき最低10個のキュー(問題)は用意しま

  しょう。

 ⑤教材 ★★★★

  ・絵カード(導入・練習用)、語彙カード(フラッシュカード)、レアリア(生教材)、

   50音表(必要に応じて)、変換表(必要に応じて)など。

  ・特に絵カードは導入でもドリルでも必須の教材です。

   特に初級は絵カードがないと授業が成立しないと

   言っても良いものです。また、サイズも重要、大きく見やすいものできればA3、

   最低B4サイズは欲しいですね。教室の後ろからでも視認できる大きさです。

   模擬授業で実際にあったことですが、導入時の絵カードをA5サイズで出されたときは

   正直、驚きました。教室の後方にいた私には絵の内容が、まーーったく見えませんでした。

   こうなると、こういう方は、やはり相手のことを考えられないのかなあと思って

   しまいます。

  ・文字カードは、手書き、またはタイプされたものどちらでも構いません。手書きの場合は

   丁寧な字で。これもサイズに注意してください。

模擬授業・まとめ

 

以上、本記事では日本語学校における模擬授業で担当者はどんなところを見ているのか。という点についてお伝えして来ました。

ですが、模擬授業。みな緊張します。手も声も震えることなどよくあります。提出順をミスったり、説明が抜けたりすることもよくあります。

聞き手である担当者もその辺りは心得ていますので、緊張によるミスなどはまったく気にしなくても大丈夫です。それよりも、何かミスしたときに、つい口から出てくる「あっ、すみません」のような人間性。そういった点が大事です。

学生は誠実に一生懸命な新人教師は大好きです。

やはり、その応募者の人間性・キャラクターでしょうか。

あとは、教案をしっかり書いておきましょう。たとえとちっても、教案がカバーしてくれます。

では、では。

 

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