日本語教師に必須のマインド5選‼学生に評価される教師とは⁉

 

こんにちは。

今日もフェイスシールドのせいで授業中に死にかけた「のりまき、」です。

今回は、アフターコロナを迎えても変わらない日本語教師に必須の不変的マインド5選をご紹介します。日本語教師になるのに必要な資格に関したサイトは数ありますが、マインドについてはどうでしょうか。

それも日本語教師に特化したマインド論です。これまで数多くの先生方を見て来た中で学生からいわゆる「良い先生」として、慕われている人にはある共通したマインド的特徴があります。私はその特徴を日本語教師的不変マインドと定義したいと思います。

 

日本語教師になるために必要なものは「資格」です。

仕事を効率的に進めていくために必要なものは「スキル」です。

そして「良い先生」になるために必要なものは「マインド」です。

今回は、その「マインド」のお話です。

   マインド【mind】心。精神。意識。

それではいってみましょう。

 

日本語教師に必須の不変的マインド5選!!

 

日本語教師的不変マインドは、そのどれもが重要です。残念ながら、今は持ち合わせてないよという方も大丈夫です。その都度「意識」をしながら、毎回の授業で続けて行くことができれば、あなたも立派な「良い先生」の仲間入り。

その1、サービスマインド

 

日本語教師に必須の不変的マインドその1。まずはこれ、「サービスマインド」です。

今でも忘れられないことがあります。それは、かつて私が敬愛するこの道30年近い大先生が年度の初めに、今年一年の抱負としておっしゃっていたことです。

「今年も学生にとっておもしろい授業を心がけていきます。」

教授歴30年近い先生でも、おもしろい授業を、と言っている。この意味。

また、別のあるベテランのこちらも大先生がこうおっしゃっていました。

「日本語教師はエンターティナーである。」

いかがでしょうか。どちらも表現は違えど、中身は同じ「学生に感動を与えよ」です。学生にとっての感動とは何か、たとえば「よく分かった!」「あっという間の3時間だった」「先生の授業だけは休まない」などいろいろです。

あなたは、学生に面と向かって言われたことありますか?または言われてみたいとは思いませんか?スポーツでも演劇でも何か心から感動したとき、その感動の度合い(興奮)が高いほどパフォーマーに対し直接言葉を投げかけたくなるものです。学生も然りです。

「楽しませようと思う、喜ばせようとする、学生に何かしてあげようというマインド」

それが一番大事です。では、どうすればそのマインドに持っていけるのか。

答えは簡単です。

まず自分が楽しむこと」です。これにつきます。準備した教材を持って、早く授業に入りたい!とあなた自身が思えていますか。

そう思えている人は、第三者から見たらすぐ分かります。なぜか。

自然と「笑顔」になっているからです。また、この辺りベテラン、新人関係ありません。作った笑顔、自然な笑顔。はっきり違いとして出ます。出てますよ。

授業を「こなす」感覚の方は、まあ難しいかもしれません。

日本語学校は立派なサービス業です。

 

その2、使命感という情熱

 

続いて、日本語教師に必須の不変的マインドその2。

「使命感」です。または「情熱」といってもいいです。ちょっと昭和の香り漂うワードかもしれません。ですが、これもとっても重要です。

簡単に言えば、あの授業、あの学生、あのタスクには私が必要なんだ、いや私でなきゃダメなんだという感覚。あんな奴に任せてられるかといった感覚。(ちょっと言いすぎ)でも大事なことです。この感覚を私は「使命感」と呼んでいます。

この感覚がなければ、何かとしんどいことが多いこの仕事を続けていくことは、まず難しいでしょう。特に新人(若手)のうちは、非常に重要だと考えています。

お金が稼ぎたくて日本語教師になる人はいません。では、何がしたくてこの仕事を選んだのか。あるいは目指しているのか。

内閣府が実施した就労等に関する若者の意識調査より。

※「👉」はその結果に対して日本語学校を照らしてみたコメント

全国の16歳から29歳までの男女10,000人を対象に実施した就労に関する意識調査において、「仕事を選択する際に重要だと考える観点」の上位5つは、以下の通りです。(平成29年度)

1位、安定していて長く続けられること 88.8%

👉安定の対極にある職業です。

2位、収入が多いこと         88.7%

👉真っ先に捨てなければならないもの。

3位、自分のやりたいことができること 88.5%

👉やりたいことはやってるかな。

4位、福利厚生の充実         85.2%

👉福利厚生?

5位、自由な時間が多いこと      82.2%

👉18時には帰れるかな。

https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h30gaiyou/s0.html

この調査結果の上位5つを日本語学校に当てはめた場合、どうでしょうか。せいぜい3位、5位ぐらいではないでしょうか。学校によっては、教員がビザ申請業務を行うところもありますので、そうなると5位すら怪しくなってきます。

つまり、日本語教師という仕事は職業選択において重要視される上位5つのうちの1つしか当てはまらないことになります。

だからこそ。強烈な動機付けが必要なんです。

でなければ、続きません。

 

その3、対応力

 

日本語教師に必須の不変的マインドその3。対応力。

ここで言う「対応力」とは、どんなときも冷静かつ臨機応変に対応できる力のことを言います。

日本語教師という仕事では、日々様々な問題が発生し教師の元に舞い込んで来ます。昨日の平穏無事が今日も続くという保証は一切ありませんし、学生指導も千差万別学生の数だけ存在します。喧嘩、自殺未遂、ストーキング、万引き、情緒不安、など数限りなくあります。また学生絡みだけでなく、経営者の朝令暮改。教員間(非常勤講師vs.常勤講師)のいざこざ。などなど、まあ盛沢山。

そして、そんなとき必要となるのがこの対応力です。対応力というと経験がものを言いそうですが、そんなことはありません。問題発生時に、主体的に動けるか、また最善を尽くそうとする姿勢があるかどうかが重要なんです。むしろ、むやみに騒ぎ立てるだけで自分では何もしようとしないベテラン教師、残念ながら割と多いです。

また、課外活動などのイベントを担当することもあるでしょう。そんなとき何百人、千何人という留学生をまとめ、イベントを成功させなければなりません。相手は言葉が不十分な外国人。天候だって影響するかもしれません。想定外の出来事だらけです。こういうときも、この対応力、臨機応変さが必要です。

対応力を磨くにはどうすれば良いのか。かんたんです。

「常に学生を見ていれば良い。」

それだけです。

学生の表情や言動をよく見てみてください。学生が何を期待し、必要としているか。そこに自分なりの答えをぶつけていく。それを繰り返していくと、どんな場面でも対応できる力が身に付はずです。

 

その4、寛容性

 

日本語教師に必須の不変的マインドその4。寛容性。

相手(学習者)は文化背景の違う大人の外国人であり、また顧客であるという前提があります。

寛容

①寛大でよく人を許し、受け入れること。咎めだてしないこと。「―の精神」「―な態度をとる」

②他人の罪過を厳しく責めないというキリスト教の重要な徳目。

③異端的な少数意見発表の自由を認め、そうした意見の人を差別待遇しないこと。                           

                            広辞苑第6版

こういうことがありました。とあるクラスに態度の悪いベトナム人の学生がいました。担任ではありませんでしたが、3者面談という形で私も注意したことのある学生です。その学生が授業中、テキストを忘れて来たため、コピーを取って来るよう注意されました。そして、コピーを取りに教室を出ようと教師(女性)の脇を通ろうとした瞬間、その注意した教師に対し殴るフリをしたのです。

その後、学生は厳重注意。教師にも話を聞きます。この学生は普段から授業態度は良くなく、また一瞬とは言え、威嚇され恐怖を感じたということで警察に突き出して欲しいと言います。日本に来たのだから、日本のルール(法律)に照らして是非を判断して欲しいというわけです。

一方、学生の言い分としては、教師から注意を受けた際、顔を指で何度も差されたことに腹を立て行為に及んだのだそうです。殴る意思は毛頭なかったと。確かにベトナムでは(日本でも)顔を指で差されるということは、大変失礼な行為です。

あなたなら、この場合どう対処するでしょうか。この教師の申し出通り、やはり警察を呼びますか。明らかに悪いのは学生です。テキストを忘れた上に、フリとは言え拳を振り上げようとしたわけですから。普段のこともあります。

どうでしょうか。

実際に通報するかどうかは別として、あなた自身がもし同じような状況にあったら、どうするかちょっと考えてみませんかということです。一瞬でも恐怖を感じたことは事実でしょうし、行為自体、許されるものでは決してありません。実際に教師自身、興奮していたこともあると思います。

行為自体は強く注意すべきです。しかし、同時になぜそうした行為に及んだのかという理由も詰めて行かなければなりません。

そもそも教師と学生との間に伏線となる行為が日常生活になかったか。他の教師との関係はどうか。学生の思考性や生い立ち、民族的・文化的な特質。アルバイト。ストレスを感じるようなことはあるか。などなまだまだたくさんあります。

全ての理由を出し尽くした結果、学生の犯した行為に対し情状酌量の余地があるなら、一定の処罰はあったにせよ当事者として、最終的には許してあげたい。「通報」や「退学処分」という最終カードはできるだけ切りたくありません。第3者だとしたら、そのカード以外の選択肢はないか考えます。

まとめると、問題行動に至った理由に多少でも理解できることがあったら、学校がどう処罰するかは別として、当事者として受け入れられるかどうか。仮に難しくても理解しようと努める姿勢は持ちたいです。

※あくまで今回のような場合で、実際に犯罪行為を犯した様なときは論外です。

その5、想像力

 

日本語教師に必須の不変的マインドその5。想像力。

想像力は知識より重要である。知識には限界がある。

想像力は世界を包み込む。         アルベルト・アインシュタイン

直観力と想像力を抑え込んではいけない。  フィンセント・ファン・ゴッホ

経営の第一原則は、新製品開発の原動力が技術でもカネでもなく、人間の想像力だということである。              デビット・パッカード

偉大なる科学者、画家、経営者が残した格言です。これら偉人の残した想像力という言葉のイメージは、もしかしたらそれぞれに異なるかもしれません。

でも、想像力が大切だということは、間違いなく真理であると思っています。

想像

①実際に経験していないことを、こうではないかとおしはかること。

②現実の知覚にない物事を心に浮かべること。

ー力

①想像をする心的能力。

②[哲]ア、カントでは、感性と悟性の性質を分有し、両者を媒介して認識を成立させる能力。構想力。

イ、ニーチェ・サルトルらでは、芸術経験の創造・享受両面における形象生産の契機。

                             広辞苑第6版

では、日本語教師としてこの「想像力」とは何なのか。

答えはずばり、「相手を想う力」です。そう、そのまんまです。

相手とはもちろん学生のこと。どれだけ、その学生に想いを巡らせることができるか、これにつきます。一教師として求められるマインドということで、5つほどお伝えしましたが、この「想像力」は全ての基になると言えます。

たとえば、教師の意図した発言によって、その場にいる多くの学生がウケたとしても、その中のたった一人でも傷つくようなことがあったら、それは失敗です。

話題となっている出来事をニュースとして取り上げたときなど、特に注意が必要です。知らない間に学生を敵に回しているということがないようにご注意ください。

「相」手の心と書いて「想う」です。

 

まとめ+これがあれば「最強」のマインド

 

日本語教師に必須の不変的マインドとして、ここではサービス精神、使命感、対応力、寛容性、想像力の5つが重要であるとお伝えしてきました。

そして実は、もうひとつこれがあれば最強というマインドをご紹介します。それが、

「ユーモア」です。

ユーモア【humour】

上品な洒落やおかしみ。諧謔「-のあふれる講演」

最強になれるのになぜ、6つ目に持って来なかったか、それは先に述べた5つのマインドを持ちつつ授業をこなしていく中でしか、磨かれないからです。

ユーモアとは、単におもしろいことを言うということでは決してありません

相手の立場、状況など総合的によく理解した上でなければ、相手に刺さる笑いは届けられません

また、本能的、直感的、瞬間的に「相手を笑わせたいとか、笑いが欲しい」と思えるかどうかも重要だと思います。その結果、逆に刺さる視線を受けることも無数にあるでしょうが。

最初の頃は、余裕を持つ(持てるようになる)ことを目標にしていきましょう。教案書きに四苦八苦、寝不足状態では、そもそも満足いく授業などできません。

最初の1年をどう乗り切るか。

頑張っていきましょう‼

では。また。

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