なぜN1を持っているのに、日本語学校に入学するのか?その理由を解説します。

こんにちは。

のりまき、です。つい先日、わたしが所属する日本語学校で卒業式が行われました。その卒業式は、まさにコロナ禍の今を象徴するように学外でホールを借りたりせず、学校内で代表者のみを集めたホントに小さな式となりました。

とはいえ、こうして無事卒業式を学校として迎えられたことに感謝しないわけにはいきません。そしてまた4月にはありがたいことに新入生が入学をして来る。。。。「はず」です。

そんな我らが日本語教師のお客様、外国人留学生。そして、その大多数を占める中国人留学生について以前、こんな質問をされました。

よしい

なぜN1を持っているのに、わざわざ日本語学校に入学するんですか?

という非常にキラキラとした質問です。確かに中国人留学生の中には、来日間もないのに、ペラペラと流暢に日本語を操る学生がいます。しかもJLPT(日本語能力試験)のN1まで持っているではありませんか。…なのになぜ日本語を!?当然の疑問かもしれません。

今回は、その疑問にお答えしていこうと思います。

【結論】なぜN1があるのに日本語学校に入学するのか!?

では、早速その結論から。理由は2つです。

  1. 留学に関する情報が少ない。
  2. エージェントの存在。(留学院)

1、留学に関する情報が少ない

「留学に関する情報が少ない」とは、この高度情報化社会に一体どういうこと?と思われるかもしれません。でも情報自体が統制されている社会・国がある、それが中国というわけです。中国のインターネット検閲が非常に厳しいことはよく知られていて、これはグレート・ファイアウォールと呼ばれています。これにより特定のIPアドレスからのアクセスをブロックしてしまうわけですね。

動画共有サイトのYouTubeやSNSではFacebookやTwitterなどが中国国内で利用ができないのは、ご存知の方も多いと思います。驚くのは、LINEやTwitterなど日本へ来て初めて知ったという学生がいることです。

ネット検閲に関しては、VPN(Virtual Private Network)と呼ばれる仮想のプライベート・ネットワーク技術を使って、回避することもできるのですが、それすらも年々規制強化の対象となって厳しくなって来ているということです。また、VPNに関しては、使う=「犯罪」である!みたいな意識の学生も少なくありません。

というわけで、まとめると「日本国内のサイトにアクセスすることが難しい=留学情報がなかなか得られない」ということです。

個人で留学しようと思えば、日本学生支援機構(Jasso)が実施している渡日前入学許可制度を利用し、日本の大学を現地にいながら受験することも可能です。

2、留学エージェントの存在 (留学院)

N1がある(日本語ができる)のに、日本語学校へ来るわけ。その2つ目の理由は、留学エージェントの存在です。

留学院

留学エージェントのことを業界では「留学院」と呼んでいます。中国に限らず各国にあり、基本的に政府の認可が必要です。中でも「新世界」という留学院は有名です。中には無認可の悪質な留学院もあり、まさにピンキリといった感じです。

前提として、私たち日本人が留学しようと思ったとき、個人で学校選びから住居の手配、書類作成まで全てを行うでしょうか。まずどこかの留学エージェントにお願いするという方がほとんどだと思います。

それは、外国人もまったく同じです。

特に中国の場合、先に述べたように留学に関する情報が制限されているため、留学しようと思ったら自然、留学院と呼ばれる留学エージェントに頼るしか方法はないということになります。まして送り出す側の親の立場に立ってみたら、大事に育てた我が子を留学させるわけですから、個人でリスクをおかそうとは思わないはずです。

留学院は、たいていの場合、日本国内の日本語学校や大学の別科と提携関係にあります。そのため、その留学院を通じて、日本語学校に入学して来るというわけです。

まとめ

今回、ご紹介した「留学院」と呼ばれる留学エージェントは、名前だけで選んでしまうと大変な目に遭ってしまうので、留学生は慎重に選びたいところです。

そうしたブラックな留学院を選んでしまった場合、学生から聞いた話では、都内の手狭な1ルームマンションに3人同居で、家賃一人10万とか法外な料金を取られてしまうこともあるそうです。

しかも半年契約なので、出るに出られないという、、、。

教えてくれたその中国人学生は最後にこう言います。

情報格差を利用した商売ですから。と。