大学生諸君。日本語教師はやめた方がいい…。のか。

どうも。のりまき、です。

今回のテーマは、ずばり「日本語教師になるのはやめたほうがいい」のかどうかについて、特にこれから日本語教師にならんとしている大学生の皆さんや社会人の方に向けお伝えします。あなたたち先輩のリアルを。私自身の経験談も交えつつ、冷静かつ客観的にお伝えしていますので、ご安心ください。

ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

「やる」のか「やらない」のか、どうする⁉

日本語教師はやめたほうがいいのか。

「やめたほうがいい」と言われるわけ

ネットで「日本語教師」と検索すると、続けて「やめたほうがいい」という言葉が関連ワードとしてよく表示されます。「日本語教師 やめたほうがいい」←こんな感じですね。余計なお世話

…おそらく、日本語教師になろうかどうか迷っている方が、やるやらないに関わらず、もうあと一押しして欲しいという気持ちから検索するのではないかと思います。

まあそうでしょう。その気持ちよ~く分かります。

よく日本語教師はやめたほうがいいと言われる理由としてよく挙げられるのは、次の4つ。

やめたほうがいい理由4選(国内)
  1. 薄給(待遇が良くない)
  2. 社会情勢の影響をもろに受ける
  3. 常勤(正規雇用)は狭き門
  4. 仕事が大変

やめたほうがいいと言われる理由を1つ1つ見ていきます。

薄給 (待遇が良くない)

日本語教師になろうと思ったときにまずネックとなるのが、この待遇の悪さ・給料水準の低さではないでしょうか。

これはもう事実なので仕方ないですね。日本語教師の給料については以前こんな記事を書きました↓(コロナ禍前の日本語業界的に景気が良かったとき)

意外に高い⁈と思われた人もいるかもしれませんが、安心してください。ここから悪夢が始まるのです。コロナ禍前の給料ということであえて数字は当時のままです。

コロナ禍もそろそろ収束かといった気配が社会全体に出て来ていますが、業界的にはコロナ以前のような状態に戻るまで、あと3年はかかると言われています。

また日経によれば、2027年を目途にコロナ禍前の水準に回復させる方針とのことです。

2027年を目途に。。。ごっ5年後‼

社会情勢の影響をもろに受ける

これはもう日本語業界の宿命とも言えるでしょう。

日中関係の悪化、東日本大震災、そしてコロナ。その都度大幅に学生数を減らしたことがあります。今もって中国のゼロコロナ政策には戦々恐々としています。

私たちにはどうしようもない抗う術のない状況。

この様に日本語学校というのは、経営努力ではどうにもならない部分が厳然として存在するということです。

常勤は狭き門

まずこちらをご覧ください。

文化庁令和元年度国内の日本語教育の概要より抜粋

この文化庁の資料では、日本語教師における常勤講師の割合は令和元年度で全体の14.3%。常勤講師は狭き門という話の元になる数字でよく使われるのですが、これは教師個々の働き方によるもので、常勤講師になりたくてもなれないということとは少し意味が違います。

ただ年齢的な部分は多少あるかもしれません。たとえば教師未経験で50代半ばからというような場合だと、いきなり常勤採用というのは難しいでしょう。また60歳を定年としている日本語学校が多いのもその理由です。しかしこのことは、何も日本語業界に限ったことではありません。

非常勤講師の属性としては、主婦、定年(早期)退職者の方がほとんどです。

もっと言えば、2023年の10月以降日本語学校では学生定員における常勤教員の割合が高められるため、今後ますます常勤講師は必要とされていきます。

仕事が大変(そう)

仕事が大変(そう)。これも昔からよく言われていることです。ただこの「大変さ」というのは人によって、その閾値も変わりますし何をもって?というのが、難しいところです。

私の思うこの仕事の「大変さ」は、つまるところ授業準備になるのではないかと思います。特に新人のころは、多い学校で週に5クラスぐらいの授業を担当することになるため、それこそ土日を使って準備をしないことには、追いつきません。

よく言われることとして、「日本語教師は1年持てば大丈夫」というのがあります。これは、1年通して授業を受け持つことの大変さを表現したものです。

また、午前と午後で授業を受け持った場合は、単純にそれだけでも体力を消耗します。それ以外に、担任クラスの学生に指導したり、事務作業をしたりするため「大変さ」と同時に「忙しさ」もあると言えます。

日本語教師としての仕事も3年目に入れば授業準備始め様々慣れて来ます。そのため、だいぶ余裕も出て来るのですが、それでも入社後の1~2年大変(忙しい)なのは事実でしょう。

加えて今はどの学校も人手不足。新人に限らず業務量が相対的に増えているのは間違いないです。

これから日本語教師を目指す人へのアドバイス

日本語教師を目指す大学生のみんなさんへ

日本語教師はやめたほうがいいのかと悩んでいる大学生の皆さんへの私的アドバイス。

「少しでもやりたいと思う気持ちがあるならやればいい。やり直しはいくらでも出来る。」

です。これはもう間違いありません。ポジショントークでも何でもないので、ご安心を。笑

先に述べたやめたほうがいい理由を見てもなお、迷っている、未練を感じるなら、とりあえずやっとけ、ということです。仮に日本語教師になったとして、合わなければ転職すれば済む話です。

新卒として日本語学校に入り、その後一般企業に転職する。全然「有り」です。実際、これまでに退職した新卒の方で、転職できずに露頭に迷ったなんて人間は一人もいません。

日本語教師→IT企業、経理事務、広告代理店など立派に業界を変えて巣立っていきました。もちろん、日本語教師→日本語教師もいますが。。。少数です。泣

よく新卒という「黄金の切符」を日本語教師(日本語学校)で切るのはもったいないという話も聞きます。

もうお分かりかと思いますが、そんなことは全っ然ありません。1年も立たずに日本語学校から誰もが知る大手企業に転身した人もいます。つまり日本語学校へ行こうが、一般企業へ行こうが何ら変わりはないと。

もちろん私は転職を勧めているわけではありません。むしろ少しでも長く、なんなら一生の仕事にしてもらいたい。そう思っていますし、願っています。

日本語教師をやるかどうかで迷っているぐらいなら、やった方がいいということを言いたいだけです。

ただ、です。

もし、あなたに余裕があるなら大学院へ進まれることをお勧めします

これは日本語教師になってから数年後、分かるはずです。

私自身、日本語教育能力検定に合格した際、受験仲間だった年上の先輩に大学院へは行っといた方がいいと諭されたことを今でもよく覚えています。

結果、私は大学院には行かなかったのですが、それから十数年が経ちその言葉の重みがよく分かります。

大学で教えてみたくなるのですよ。

たとえるなら、高校球児がいつかメジャーリーグでプレイしてみたいと思うような。。。感じ?に近いかな。NPBではないんです。高校野球なんです。

分かります?

日本語教師を目指す社会人の方へ

社会人の方の場合はこうです。

① 時間的余裕が・・・ない方(資格制度の変更前に行動する)

「2023年度中には資格(現行資格)を取って、遅くとも2024年4月から働き始められるように準備しましょう。」

② 時間的余裕が・・・ある方(資格制度の変更後に行動する)

「しばらくの間(2~3年)様子を見てから資格取得など動きましょう。」

矛盾するようですが、ポイントは新資格移行へのタイミングです

日本語教師(学校)の質的向上のため日本語教師の国家資格化が審議されているのですが、それが揺れに揺れ揉めに揉めているのです。

2024年度の施行を目指しているようですが(高確率でずれ込むと予想)、当初の公認日本語教師ではなく、登録日本語教員へと名称が変更となるようです。

制度自体大きく変わることはありませんが、何しろその過程が…。

最初の案では「大卒しか認めない」とあったのに、それが「必ずしも四大卒以上である必要はない」と変わっていたり、これって死活問題ですよね。

なので、時間的に余裕がある方は資格制度がきちんと成立してから準備された方が無駄はないように思います。

とはいえ。この資格制度の問題、あまり神経質になる必要もないと思います。また四大卒しか認めないという最初の案に戻ることもないと個人的には思っています。

なぜなら、現役の日本語教師の中にも相当数いるわけで、そういった現役教師はどうなっちゃうわけ?ということです。

ただ、です。

日本語教育能力検定(現行の)は合格おいた方が良いです。

理由は、新資格に移行した際、現役教師であっても一部筆記試験は受けなければならないと言われていますが、この日本語教育能力検定を持っていれば、あるいは免除になる可能性があるからです。また、免除になるならないは別として、日本語教師を目指すなら知識習得の意味でもぜひ受験されることをお勧めします。

まとめ

ただ、私自身は日本語教師をやるかどうかで悩んだことはありません。辞めるかどうかで悩んだことは無限にあ…。なぜなら、「日本語教師なんて、おもしろそ-♪」みたいなノリで、特に将来のことや薄給のことなどあまり気にしていなかったからです。当時は。ですね。。

まあ、言ってみれば、だいぶほんわかした人間だったということです。

いいじゃないですか、とりあえずやってみたら。

私の場合、とりあえずやってみた仕事がたまたま「天職」だっただけす。

いや「転職」かもしれません。

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