【リアル教案公開】みんなの日本語1課。初級・語彙導入のやり方!!

どうも! のりまき、です。
今回は、みんなの日本語1課の語彙導入の実例をご紹介します!

みんなの日本語1課。始まりの課。ここから学生の日本語学習はスタートします。そんな1課において、学生とのコミュニケーションで、必要なのは言葉ではありません。

ジェスチャー絵カード。これです。

それから大切なのは、
ゆっくりと大きな声で話すこと。それと(ま)です。
この点、注意すれば問題ありません。

この記事の最後に今回ご紹介した導入例の教案をお付けしました。
絵カードを出すタイミングやポイントも載っているので、ぜひ参考にしてみてください。ワードで作成しているので、ご自由に編集してお使いください。
ただ。。。今回も
語彙導入の部分のみです。

とはいえ、文型導入もこのトピック(流れ)で入れられますので、大丈夫。
どうぞ。よろしく。

使用テキスト

「みんなの日本語初級Ⅰ本冊」


初級語彙導入の考え方

 初級語彙導入の考え方

  • 語彙は一部の課を除き、ストーリーの中で入れます。紙芝居(絵を見せるだけ)はしません。
  • 導入語彙は、基本的に動詞・形容詞は必須。名詞や表現などは、「会話・練習問題」を教える際にまとめて導入しますので、ストーリー上無理なく入れられる場合は導入しますが、無理には扱いません。また副詞は文型につながることも多いため、文型導入の際に入れることが多いです。
  • また、1課~6課までは教室用語として以下の言葉を翻訳付で事前指導を済ませていることが前提です。
    • 始めます、終わります、休みます(休み時間です・お休みです)、見てください、言ってください、聞いてください、書いてください、良いです、だめです、宿題です、テストです、分かりますか

そもそもストーリーで語彙を入れるって何、どういうこと?という方は、まず下の記事をご覧ください。

※導入時に使用する絵カード(PC)は、みんなの日本語公式絵教材を使用しています。

絵カードは様々ありますが、なんだかんだこちらの一択。

あれこれ悩むのは時間の無駄です!純正が一番なのです。


みんなの日本語初級1 第2版 絵教材CD-ROMブックより

みんなの日本語1課 学習項目・語彙一覧

学習項目

  1. ~は~です (名前・国籍・職業)
  2. ~は~じゃありません
  3. ~は~ですか
  4. ~の~ (所属)
  5. ~も~です
  6. ~は~歳です
みんなの日本語第1課 新出語彙リスト

名詞

わたし あなた あの人(方) ~さん ~ちゃん アメリカ イギリス インド 

インドネシア 韓国 タイ 中国 ドイツ 日本 ブラジル ~人 教師 はい いいえ

学生 大学  研究者 会社員 社員 銀行員 病院 医者 先生 ~歳 

何歳(おいくつ) だれ どなた

その他

初めまして ~から来ました (どうぞ)よろしく(お願いします) 失礼ですが

お名前は? こちらは~さんです IMC パワー電気 ブラジルエアー AKC

神戸病院 さくら大学 富士大学

【教案公開】みんなの日本語1課 語彙導入

導入時に使用する絵カード(PC)は、基本的にみんなの日本語公式絵教材を使用しています。それ以外、例えば私が作ったPCなどは教案(記事)に載せています。なので、教案上語彙が唐突に出て来るように感じられるところも多々ありますが、これらは全て上記の公式絵教材に掲載されているイラストを説明しているものとご理解ください。

教案の見方
  • T(teacher)
  • S(student)
  • MM(Mimicry-Memorization Practice)コーラス練習のこと。
  • PC(picture card)絵カード 
  • FC(Flash card)語彙カード
  • 理解語彙(既に知っている言葉)
  • 未習語彙(習ったことのない言葉)
  • 語彙拡大(その課で習う語彙ではないが、知っておくべき語彙として導入すること)

今回の導入語彙

①わたし ②あなた ③あの人(方) ④~さん ⑤~ちゃん 

⑥アメリカ イギリス インド インドネシア 韓国 タイ 中国

ドイツ 日本 ブラジル ベトナム ミャンマー ネパール スリランカ 

⑦~人 ⑧教師 ⑨いいえ ⑩学生 ⑪はい ⑫大学 ⑬研究者 ⑭会社員 

⑮社員 ⑯銀行員 ⑰病院 ⑱医者 ⑲先生

T:みなさん、おはようございます。(こんにちは)

 見てください。【わたし】。わたしです。

 ※T自身を差して。

 では、言ってください。わたし

S:MM

T:【あなた】。あなた(S1)、あなた(S2)、あなた(s3)

 あなたです。

 ※Sを数名差しながら。

 では、言ってください。あなた

S:MM

T:見てください。

 ※言いながら人物PCを少し離れたところに掲示

 参考人物PC 

 【あの人】、あの人、あの人です。言ってください。あの人

S:MM

T:ではもう一度見てください。

 【あの方】、あの人じゃありません。あの方。

 ※各国首脳など著名人を数枚用意し入れ替えながら

 ※否定はジェスチャーで示す

 言ってください。あの方

S:MM

T:では、もう一度、わたしです。わたし、○○(名前)です。

 ※T自らを指し、名前を言いながら板書 (FC)さんを付ける。

 あの人、見てください。オウ。あの人、オウ【さん】です。

 おうさん。言ってください。おうさん。

S:MM

T:S1さん、S2さん、S3さん、、、、「~さん」です。

 わたし、○○、○○さん、ダメです。

 ※ダメはジェスチャーとともに示す。

 では、もう一度見てください。

 ※人物PC子ども(4歳)提示

 たかしさん、、、じゃありません。たかし【ちゃん】、ちゃんです。

 言ってください。たかしちゃん。

S:MM

T:では、見てください。【日本】です。

 ※世界地図で日本を指して。

T:言ってください。日本。

S:MM

T:【⑥中国・ベトナム・ミャンマー・ネパール・スリランカ・アメリカ

 ・イギリス・インド・インドネシア・韓国・タイ・ドイツ・ブラジル】

 ※同様に地図上で確認。テキストではベトナムなど扱っていないが

 在籍者の国籍に併せて指導。

S:MM

T:はい、いいです。

 では、わたし、日本です。わたし、日本【】です。

 日本人、言ってください。

S:MM

T:では、S1さんは…。

S:中国人…です。

T:ではS2さんは…。

 ※クラスの学生に聞いていく。

S:…人です。

T:はい、いいです。わたし、日本人です。わたし、【教師】です。

 見てください。教師。

S:MM

T:ではS1さん。S1さんは、教師ですか。

 ※__未習だが、ジェスチャーで聞いていると示す。

 意味整理などはしない。そのまま流す。

S:…

T:【いいえ】違いますね。いいえ=NOです。

 ※__未習だが、触れず流す。 

 言ってください。いいえ。

S:MM

T:ではS2さん、S2さんは【学生】ですか。

 ※聞くと同時にPCを提示する。

S:…

T:【はい】学生ですね。はい=YESです。

 では聞きます。みなさんは学生?

S:はい

T:では見てください。【大学】です。言ってください。大学

S:MM

T:では、見てください。(この人)。

 【研究者】です。研究者、言ってください。

S:MM

T:では見てください。【会社員】です。言ってください。会社員

S:MM

T:会社はIMCです。IMCの【社員】です。

S:MM

 ※NのNは文型項目だが、ここでは触れず流す。

T:では見てください。【銀行】です。【銀行員】です。

 言ってください。銀行員。

S:MM

T:見てください。【病院】です。言ってください。病院。

S:MM

T:この人、【医者】です。医者、言ってください。

S:MM

T:はい、いいです。ではもう一度見てください。

 教師、医者、は【先生】もいいです。わたしは、先生です。

 〇〇日本語学校、先生です。言ってください。先生

S:MM

T:はい、いいです。では言ってください。

S:MM ALL

1課語彙導入まとめ・教案ダウンロード

みんなの日本語1課。学生は当然話せない。少しでも間が空くと、圧倒的な静寂が訪れる初級の初級、いわゆる「ド初級」です。学生は緊張した面持ちで、授業に臨むわけですが、その緊張をいかに解いてあげるか。そして、授業が弾けたときの盛り上がり。

日本語教師がやめられないと感じる瞬間です。

この課はストーリーなどありません。が、流れは意識して作っています。

さあ、どうでしょうか。

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