どうも、のりまき。です。
今、日本にいる外国人留学生と言えば…思い浮かぶのは、中国やベトナムといったところですが、私が日本語教師になった2000年代後半、日本語学校に通う学生は、中国や韓国の学生がほとんど。
中心は中国学生ですが、韓国人学生も各クラスに4~5名ぐらいは在籍していましたし、学校によっては1クラスまるまる韓国人という学校もありました。
ところが、それから十数年が経った2022年。
今やその韓国人留学生はクラスではなく学校に数名という状況にまで少なくなってしまいました。
都内にあるコリアンタウン、新大久保。数多くの韓国料理屋が立ち並んでいますが、アルバイトとして働いているのはベトナムやネパールの学生だったりします。
私が今教えているクラスにも一人韓国人学生がいますが、それでも教えるのはずいぶん久しぶりです。
ほんっとにいなくなりました。日本語学校に。
なにゆえ??
そこで今回は、そんな韓国人留学生のリアルをお伝えしたいと思います。
この記事では以下のことが分かります。
それではいってみましょう。
韓国人留学生は本当に減ってしまったのか
まずは、韓国人留学生の数字で確認しておきます。
日本学生支援機構の外国人留学生在籍状況調査結果によれば、私が日本語教師になったぐらいの2008年では留学生全体で123,829人、うち韓国人は18,862人でその割合は15%となっています。
一方、2021年度になると外国人留学生は全体で242,444人と大幅に増加しているものの、韓国人は14,247人と、4千人あまり減って割合としては全体の約6%となっています。
ちなみに各年度上位5か国がこちらです。
この間ベトナム、ネパール両国の留学生が大幅に増加しているのに対し、韓国学生は25%減となっておりこれだけでみると確かにはっきり減少しているといえるのですが、これはコロナ禍が原因と言えそうです。
2009年~2020年までの留学生数の推移です。これで行くと2010年をピークに徐々に少なくなり、その後2013年以降は年間1万5千人前後で安定、逆にコロナ禍直前の2019年には2008年当時とほぼ同数の18,338人と増加していることが分かります。
2011年から大きく落ち込んでいるのは、東日本大震災の影響と考えられます。
ここから言えることはコロナ禍、東日本大震災という2つの厄災があり、その影響を受ける形で留学者数は一旦減少するものの、その後は1万5千人前後で安定しているということです。
ちなみに、今から20年以上前の2001年(平成13年)までさかのぼってみても留学者数は、
毎年1万5千人前後で大きな変動はありません。
今も昔もそれほど変わっていないのです。
それどころか、2020年からのコロナ禍がなければ今ごろどうなっていたのか。
まとめます。
韓国人留学生の数は「減っている」ではなく、「増えていない」が正解。
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韓国国内の日本語学習者は増えている?減っている?
ではここから、韓国国内における日本語学習者はどうなのかについてみていきます。
果たして増えているのか、減っているのか。ですね。
では、まず結論から。
結果は一目瞭然、10年も経たない間におよそ35万人、40%近くも減っているではないですか。う~ん、一体どうして。
という訳で、その理由を調べてみました。職場の韓国人スタッフにもしつこく聞いた結果です。
韓国国内において日本語学習者が減っている理由は大きく3つ挙げられます。
1、少子化
1つ目は少子化です。
2021年の出生率が0.81ということで日本でも大きな話題となりました。この急速に進む少子化はそのまま学習者の減少へとつながっています。今日本に来ている学生たちのときですら1.10~1.20です。
2、韓国における教育施策
2つ目は韓国の教育施策の影響です。
2011年には高等学校などで、それまで必修科目だった第2外国語が選択制(他の選択科目として「漢文」・「進路と職業」・「技術・家庭」)になったこと。またそれ以外にも大学入試の際、日本語より比較的点数の取りやすいベトナム語などを選択する学生が増えたことなどがあるようです。
3、留学するなら欧米へ
3つ目は欧米志向
韓国と言えば、受験競争の激しさでも知られています。そして、その競争の激しさは就職でも同じこと。元からの欧米の学位を評価する企業文化と高い英語教育熱、そうなれば必然留学先は決まってきます。
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韓国人留学生はもう日本語学校へ来ないのか。
韓国国内の日本語学習者は減っている一方で、先にお伝えしたように日本に留学する学生は少ないながら安定している。
その理由は、やはり子どもの頃から触れるドラマ、アニメなどのポップカルチャーが依然として、一定数の若者たちを魅了し続けていることにあります。
学生と面談しても、ほぼこのような回答が返って来ます。
なるほど、、、なるほど。
ん!?
それでは、「なにゆえ日本語学校には韓国人がいないのか。いや、いなくなったのか。」
について。
韓国人留学生のトレンドとは。
日本留学はしても日本語学校へは来ない。それが韓国人留学生のトレンド。
どういうことか。それは実に簡単で合理的な話。
日本語学校へは行かず、直接大学に入学してしまうわけです。
日本語学校に入学するとなると、通常1年3か月から2年は日本語学校に通うことになります。高校卒業後すぐ来日したとしても、大学入学時にはもう20歳です。1年なり2年なり余計にかかってしまうわけです。
またかかってしまうのは、時間だけではありません。お金も同じ。日本滞在には学費だけでなく、当然生活費もかかります。学生に仕送り額を聞くと、大体一月5万~10万円ぐらい。日本語学校の学費が60万~80万なので1年間の出費として最低でも120、30万程度の出費になります。
そこで、韓国の高校に在籍したまま塾に通い日本留学に向けた準備をするわけです。
それでもかなりの金額にはなるようですが、高校卒業後の2年間を省略できると考えたら安いものです。
そして、渡日前留学制度を使い直接日本の大学に出願します。合格すれば2月の卒業を待って、来日するという流れです。
う~ん、無駄がない。。。
読んで字のごとく、渡日する前に入学を許可する制度のことです。
外国人留学生の入学選考に日本留学試験の成績を利用し、国外から直接応募を受け付け、入学選考のために応募者 に渡日させることなく合否を判定し入学を許可する仕組みのことをいいます。
日本学生支援機構HPより引用
2022年1月時点で大学100校、短大10校、専門職大学1校、大学院6校、専門学校74校が利用しています。
このような制度を使って日本に留学するのは、「優秀」な学生、目的意識、上昇志向の強い言ってみればエリートの卵。
実際、都内の有名大学への進学者が多いです。仕事柄そうした学生さんをアルバイトとして使うこともあるのですが、実際に接してみるとそれはまぁ、キラキラと華やいだ雰囲気を醸しています。
男子学生の中には、それこそK-POPグループのBTSやSEVENTEENにいてもおかしくないようなちょっと褒めすぎ。 もちろん見た目だけではなく、話した時の受け答えから賢いことも分かります。
そして、日本の大学を卒業すると、今度は日本国内の大手企業に就職。その後、経験を積んでから日本でのキャリア、語学力を武器に自国、韓国の有名企業に転職する。
SKY(スカイ)と言われる韓国トップ大学の極狭の門を目指すより、東京のMARCHレベルの外国人枠を目指した方が、確率も高く、そして得られるリターンも最終的には同じ、という算段。
う~ん、スキがない。。。
韓国ソウルにある3つの名門大学の頭文字をとったもの。
S…Seoul National University ソウル大学校
K…Korea University 高麗大学校
Y…Yonsei University 延世大学校
以上が、日本語学校をすっ飛ばして、日本留学する韓国人留学生のリアルです。
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まとめ
今回は、韓国人留学生がなぜ日本語学校からいなくなってしまったのか、その理由についてお伝えして来ました。
韓国学生はよく出来る学生が多く、授業を盛り上げてくれるムードメーカーでもあるのでこの傾向はとても残念です。が、仕方ないですね。
・韓国人留学生は本当に減ってしまったのか。
・韓国人留学生が日本に留学するわけ。