【JLPT】上級語彙の「教え方」を教えたいっ!

どうも、のりまき、です。

外国人留学生にとっての2大試験の1つ日本語能力試験。通称、JLPTあるいは能力試験とも呼ばれるこの試験にいかに学生を合格させるかが日本語学校にとっての大きな課題の1つです。

JLPTの構成

試験レベルは、入門のN5から一番難しいN1までの全5レベル。

構成はN1・N2が言語知識(文字・語彙・文法)と読解、それに聴解の2つ。N3~N5までが聴解と言語知識を文字・語彙と文法・読解の2つに分けた計3つ。

要は、文法、語彙、聴解、読解になるわけですが、全ての基礎に語彙力が求められるのは間違いありません。。。なのですが、苦労していませんか。語彙の教え方。

周りの先生方を見ていても、この語彙の教え方を苦手とする人が多いように思います。それもN1やN2などの上位レベルになればなるほど。

それと多いのが、中上級以上になってもイラストを中心に教えている教師の多いこと。これは教材の電子化が進む中で仕方のない面もありますが、それにしても手をかけすぎ、のように思います。

手をかけるのは学生との対話であるということを忘れてはいけません。

そこで、今回はN1、N2など中上級〜上級レベルの語彙の教え方について、のりまき、的「教え方」をお教えします。

上級の語彙の教え方に悩む方にとって少しでも参考になれば幸いです!

ポイントは、どう見せるか、ではなく、どう考えさせるか、言葉からどうイメージさせるかが重要です。

「語彙力ぐんぐん」を使って教えてみる。

今回、語彙の教え方で扱う教材はこちら↓スリーエーネットワークの「語彙力ぐんぐん」です。


この語彙力ぐんぐんは、中級〜上級レベルの学習者向けの教材ですが、同時に教師向け教材と言って良いぐらい扱いやすい教材です。

扱う語彙は、慣用句やオノマトペが中心。1ページ1テーマで問題数も10個程度しかないため、がっつり45分間、語彙を教えるというよりはウォームアップ感覚で扱う教材です。

個人的に好きな教材ということもあり今回取り上げました。

語彙の教材と言えば大体構成は似たようなものなので、いま扱っているテキストがたとえば同じスリーエーネットワークから出ている新完全マスター語彙でも導入における考え方は基本的に変わりませんので、大丈夫です。


語彙に2つ確認しておきます。

1つ目、前提として語彙をメインに扱う授業であることです。メインテキスト内の語彙を扱うというのとはまた別です。

そして、今回の導入語彙は「語彙力ぐんぐん」のテーマ4に出て来る語彙(下にある8個の副詞)を扱います。

導入語彙

   ぶつぶつ ぷりぷり いらいら ぶすっ ぷいっ ぶうぶう かんかん がみがみ

なぜテーマ4かというと、語彙の導入手順として分かりやすいからです。典型的なパターン

この語彙を次に出て来る問題文のような形式で、他に7つ出されています。この問題文のカッコ内に適当なものを入れていくわけです。確認ドリル的な使い方であれば、5分程度時間を取ってから答え合わせという流れでも十分です。本来はそうした使い方なのですが。

問題文 

1.信号機トラブルで電車が遅れていて、待っている客は(    )している。

※問題文は実際と変えています。

さて、上にあるような語彙、問題文だった場合、あなたならどうやって教えますか。

そして、確認事項の2つ目。教える対象は中上級レベル、N2→N1に差し掛かる学生たちです。またこのテーマにイラストはありません。

さあ、導入についてイメージできたでしょうか。

それでは、語彙導入のやり方いってみましょう。

【実践】語彙導入のやり方

語彙導入で大事なこと。

語彙の教え方のポイントは、学生の既存知識をフルに使うこと。

語彙に関してその教え方のポイントは、 学生の既存知識をフルに使うことです。

学生が今まで習った言葉、見聞きして自然に覚えた表現など持てる知識をその場で使わせながら新たな語彙や表現を覚えていく、ということです。要するに、教師が問いかけて学生に考えさせるわけです。

実際の授業ではどんな感じかというと、こうです↓

既存知識を使った教え方の例

導入語彙

   ぶつぶつ ぷりぷり いらいら ぶすっ ぷいっ ぶうぶう かんかん がみがみ

のりまき、

はい、ではここに挙げた言葉を見てください。何か知っている言葉はありますか

実は、ここにあげた言葉にはある共通の意味がありますが、何だと思いますか

王さん

いらいら。。。ぶつぶつ。。。です。意味は、、、怒ります?

のりまき、

そうですね。共通の意味は怒る、不満です。では1つ1つ確認しましょう。

では、イライラはどんな意味ですか?。。。。

のような感じです。教師の2つの問い「知っている言葉はあるか。」「共通の意味は何か」がそうです。これまでに習った語彙や表現、日々の生活の中で得たことから答えられないか確認し、考えさせます。

このレベルの学生であれば、少なくとも2~3は語彙の意味と共に答えられます。

極端な話。今回の授業で取り上げた8つの語彙について、「怒る・不満」を表すんだということを押さえてくれたらいいわけす。

このように、学生に問いかけ出た答えを補足訂正する形で進めて行きます。何も難しいことはありません。難しいとすれば、「待つ」ことと「正確さ」を求めてしまうことではないでしょうか。

そして、語彙の教え方で次に大切なこと、それは冒頭にも述べた

言葉からどうイメージさせるか。

です。

言葉からどうイメージさせるか。

では、このイメージさせるということについて考えてみたいと思います。

それについて2つのパターンでみてみます。

パターンA:語彙をイラストで教える場合。

パターンB:語彙を言葉で教える場合。

【パターンA:語彙をイラスト教える】

たとえば、先の導入語彙にあるリスト(テキスト上では解答ア〜ク)を見ながら、こう尋ねます。

のりまき、

「ぶつぶつ ぷりぷり いらいら ぶすっ ぷいっ ぶうぶう かんかん がみがみ」  たくさん、ありますね。

この中で知っている言葉はありますか?

王さん

いらいら、ぶつぶつ。。。です。

まず、語彙全体の中から知っている語彙があるかとどうかを聞きます。するとたいてい2~3答えが返って来るので、回答のあった語彙についてさらに聞いていきます。

のりまき、

ではSさん、いらいらの意味はなんですか。どんなとき使いますか。

王さん

・・・少し怒ります

学生がその語彙の意味について答えますが、このとき意味の正確さは無視してください。大体のところ合っていればOKとします。いらいらなら、「怒る」というワードが出れば良いですね。

のりまき、

そうですね。少し怒ります。…では、どうして怒りますか。見てください。

ここで、「イライラする様子が分かるPC」を提示します。渋滞中の車内など良いですね。

のりまき、

この今、車を運転している人の気持ち、どんな気持ち…?

【少し間をおいて】

イライラしていますね。

「イライラ」は、自分が思っている通りにいかなくて、気分が悪い、腹が立つ感じです。待っている(待たされている)ときに感じることが多いです。イライラにするがついて3グループの動詞にもなります。

同じ意味の言葉に「いら立つ」もあります。

最後に導入語彙を提示します。その後、意味整理、語彙拡大を簡単に済ませ、次の語彙に進みます。

これを繰り返します。

【パターンB:語彙を言葉で教える】

では続いて語彙を言葉で教えるパターンです。

※リストの提示から知っている語彙を言わせるところまでは同じです。

のりまき、

ではSさん、いらいらの意味はなんですか。どんなとき使いますか。

王さん

・・・少し怒ります

のりまき、

そうですね。少し怒りますね。たとえば、みなさん想像してください。

みなさんは友だちと車で東京ディズニーランドへ行きます。でも途中、道がとても混んでいて全然進みません。1時間も2時間もほとんど進みません。

そんなとき、みなさんはどんな気持ちですか?

【少し間をおいて】

イライラしますね。

※以下パターンAと同じ。

「イライラ」は、自分が思っている通りにいかなくて、気分が悪い、腹が立つ感じです。待っている(待たされている)ときに感じることが多いです。イライラにするがついて3グループの動詞にもなります。

同じ意味の言葉に「いら立つ」もあります。

A、Bパターンの違いは、イラストのあるなし。イラストで状況を説明するのか、あるいは、状況を言葉で説明するかの違いだけ、です。

イラストの方が良い?でしょうか。渋滞中のイライラが絵で一目で分かるわけですから。

パターンBのポイントは、言葉でその状況を説明し、学生にイメージ・想像させる。そして、さらにその時の気持ちを表すとこうなる。という教え方です。教え方の難度としては、少し高めかもしれません。状況を言葉で説明することになるので。

また、ここで大事なのは「適当な例・たとえ」です。この適当な例というのは、語彙に限らず、文型を教えるときにも重要になるので、日ごろから「例えば〜」のような形で説明できるようにしておくと良いと思います。

上級語彙の教え方まとめ

今回は上級語彙の教え方について、既存知識を使うこと。そして、語彙をイメージで教えることについてご紹介しました。

特に、イラスト使用についてたとえば「エアコン」という語彙を教えようと思ったとき「エアコン」とはね、なんて言葉で説明することはありません。(逆にやってみても面白いかもですが。)

なので、語彙(物の名称など)によりイラストの方が適していることも当然あります。

またA・B(イラスト&言葉)を組み合わせても良いと思います。

ただ注意したいのは、初級から徐々に中級へと上がっていった先生などは、どうしても初級授業での語彙の教え方に引っ張られ、ついイラスト過多=スライドに注力。になってしまいがちです。

本来なら学生との言葉によるコミュニケーションによって教えられる(レベルにある)のにです。

イラストは大事ですが、かと言っていつまでもイラスト頼りではいけません。

今回は、上級語彙の中でも特にオノマトペや慣用表現を中心に扱いました。語彙には分野いろいろありますが基本的な考え方は変わりません。

「既存知識の活用」「イメージ化」

あと教師が「楽しく教えること」です。

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