【決定版】EJU・読解の「教え方」2週間で得点力をUPさせる方法。

どうも。のりまき、です。

今年。2021年はコロナ禍にありながらも何とか第1回目のEJUが6月20日に実施されました。そして、その約1か月後の7月下旬には結果も届き、まさに悲喜こもごもといった様子の学生たちでした。

果たして11月のEJU第2回目は無事実施されるのか、学生ともども気が気でない人もいるのではないでしょうか。

EJUと言えば、学生にとってJLPT(日本語能力試験)に並ぶ2大試験なわけで、どの日本語学校、また塾も対策授業には余念がありません。

そこで、今回は長年EJU(日本語)の対策授業を担当してきた私がEJU読解を指導した際の教え方のポイント、コツをご紹介したいと思います。

EJU対策の担当を任されたんだけど、読解なんてどうやって教えたらいいの。。。

なんていう、そこのあなた。読解を教えるということは、実はめちゃくちゃ面白いのです。

まあ、学生は大変ですけど。。。

EJU(日本留学試験)とは

とその前に、EJUについて確認しておきます。

EJUとは。日本留学試験ともいい、日本学生支援機構(JASSO)が実施する日本の主に大学の学部進学を目指す外国人留学生に対して実施される年に2回の日本語力や基礎学力を測る試験のことです。

※EJU(Examination for Japanese University Admission for International Students)

2019年までは、毎年2万人以上の留学生が受験していた試験です。このEJUの成績を多くの大学が外国人留学生の入試選抜に利用しているわけです。その数474校(国公立大134校、私立大学340校)

名前を聞いたことのある大学ではほぼ採用されています。

受験する学生は、上記の内日本語含む3科目を受験することになります。日本語だけなら400点+記述の50点。3科目なら800点です。学生には3科目の合計が600点を超えたら、国立目指そうか、と言っています。ちなみに記述は別扱いなので、日本語が合計450点になるということはありません。

例:文系 日本語+数学Ⅰ+総合科目

  理系 日本語+数学Ⅱ+理科

※数学Ⅰは文型学部志望の学生向け、数学Ⅱは微積やベクトルなどを含む理系学部志望向けです。また理科は、生物・化学・物理の3科目から2科目を選択します。1科目100点で計200点。

ただ、必ずしも3科目である必要はなく、もちろん日本語のみでも構いませんし、日本語と総合科目のみ2科目とかということもできます。

しかしながら、行きたい大学が日本語のみでOKなんていう大学は、たいていそういう大学です。

有名私大、国公立大などはほとんどの場合、3科目必須なので教師としては3科目を勧めるわけです。また、日本語以外は「とりあえず受けていれば良い」=「得点あまり見ない」というタイプの学校もあるので、数学苦手だからとか、総合科目なんて興味ないとか言ってないで、とにかく3科目は受けさせておいた方が無難です。

  

EJU・読解の教え方

EJU・読解対策授業を受ける学習者のレベル

さて、いよいよ読解の教え方となるのですが、指導にあたって教える対象となる学生のレベルを確認しておきます。なぜなら、0レベルの学生には無理だからです。笑

0レベルはさすがに冗談ですが、これまで様々なレベル帯の学生に教えて来ました結果、今回の教え方でもっとも効果的だと思われるレベル帯がやはりあるからです。

受講学生のレベル
  • 日本語のレベルは最低N3取得以上か、EJU日本語200点以上の学生。メインテキストだと中級後半レベル以上の学生が対象。
  • EJU初受験の学生や、どちらかというと試験慣れしていいない学生の方が効果として実感しやすい。

2週間で得点力をUPさせる教え方

使用するテキスト

今回、読解を教える教材は、ずばり過去問です。もうこれ!生教材が1番。各出版社から出ている模試も良いのですが、本物にはかないません。教師自身の分析・勉強も兼ねてぜひ。

また実は他にもあるにはあるのですが、現在品切れ中とのことで中古本でしか入手できないため、授業で扱うには難しいと思われます。ポイント、コツが押さえてある良書なのですが。一応、この記事の最後「まとめ」に載せておきます。


試験の全体像を説明し、目標(得点)を明確に意識させる。

読解対策の授業を始める前に、まず大切なこと。EJUの全体像から説明しましょう。

EJUの全体像を説明することの意味は、先にも述べたEJUとはというところから始まり、最終的に「今回のEJUの読解で何点を取らなければならないのか。」という目標設定を明確化させることにあります。大→小ですね。

上級レベル向け

たとえば、3科目の合計で600点を目指したいという場合。3科目の内、数学は得意なので150点以上は固い、でも地歴は苦手なので総合科目は120点前後か。すると残った日本語で330点以上は取らないと600点行かないな。

その日本語には聴解(聴読解)と読解あって、それぞれ200点。読解は得意なので180点は取りたい。そうなると聴解(聴読解)では150点か。

…相当に優秀な学生の場合ですが。。。たとえば、です。こんな感じでイメージさせる、考えさせるということです。レベルが低い場合は、その目標得点を各学生の属するレベル帯から教師が示してあげると良いです。

中級or試験初めて向け

中級Aクラスの皆さん、まずは日本語200点を目標にしましょう!日本語200点なら〇〇大学etcが目指せます! 聴解は苦手な学生が多いですから、「読解」で頑張りましょうね!!

のような感じです。

EJUの全体像と得点ごとの大学目安を提示してあげるとなお良いですね。

以上をまとめると

ここではEJU総得点における日本語の重要性と目標設定をさせます。日本語の得点レベルが200~300点と予想される学生向けに読解、聴解聴読解でどちらが苦手であるかを意識させ、その上で読解は訓練次第で、2週間程度でも得点の向上が可能であることを説明する、わけです。

読解問題の構成を説明する

全体像と目標をイメージさせられたら、次は読解問題の構成を説明しましょう。

お分かりと思いますが、これも大→小です。全体像を把握させ、1題ずつ個別にみます。

読解問題の構成

全17題25問 (短文形式10題、長文形式(複問)7題(ただし最終問題は問3つ)

基本的に読解問題は、1題400字〜500字の文章について設問が1つ。そして、その答えを1~4の選択肢の中から1つ選ぶという形式です。

上の枠内にある「短文形式」というのが、まさにそれです。その短文形式が10題。

次に長文形式1題800字〜1000字程度の文章に、設問が2つないし3つ。その長文形式が7題。

以上を説明したら、学生に問います。

問題は全部で25問かあ。皆はいつもどうやって読解問題を解いていく?

まず問題から読みます。or 最初に本文から読みます。

なるほど。~しているんだ。
あれっ。そう言えば読解の試験時間は、40分しかないんだけど時間内に終わってますか?40分て大変じゃない?

対策授業とは言え、学生との対話は重要です。

まずは、学生に普段どうやって読解問題を解いているかを聞いてみましょう。すると、学生がどの程度、読解問題をやり込んでいるかが分かります。

指導の参考になることも多いので、ぜひ最初に聞いてみてください。

そして、その後に時間の問題をさりげなく提示するわけです。

時間の重要性①

読解問題の構成について説明し終えたら、いよいよここからが読解問題を解いていく上でのポイント解説に入っていきます。ポイント1は「時間」です。

「時間を意識する」はほんっとにめちゃくちゃ重要なので、もう1度言います。

「時間を意識しろ」

つい命令形になってしまいましたが、学生には「ですます」で話しているので大丈夫です。

これを意識するだけでも大分違います。出来る学生(勉強が出来るという意味の)は皆分かっています。この限られた時間の中でどうこなしていかなければならないかを意識させるわけです。

では、結論です。

時間の重要性ポイント②

1問90秒で解く

1問90秒とはどういうことかというと、読解の問題は全部で25問、試験時間は40分です。

つまり、1問90秒で解いていった場合、150秒=2分30秒という時間的な余りが生じます。

この2分30秒というのが非常に重要で、その時間に初めて見直しをしたり、あるいは迷って適当にマークした問題を解き直したりするのです。

つまり、2分30秒を捻出出来て初めて見直しや解き直しができるわけで、1題ごとに見直しなどしている場合ではないということです。その点、よく学生には説明した方が良いです。

なので、見直しや解き直しをしていてなかなか先へ進むことが出来ない学生は、性格的というよりも、そもそもの日本語力(学力)が足りていないと考えた方が良いかもしれません。

読解は、時間に制限がなければ誰でもできる、とまでは言いませんが、かなり易しくなるのは事実です。

その辺りをしっかり学生には説明しましょう。

時間配分が重要なんだ。と。

いいですか。読解は時間がありません。遅くても90秒経ったらどんどん次の問題に行かないと終わりませんからね。時間配分が重要なんです!
見直しや自信のない問題は、最後の余った時間にしましょう!

でも、先生1問90問なんて、どうすれば。。。

時間の重要性②

「読解」において「時間」が重要なポイントとなるのは間違いありません。

とはいえ。

「1問=90秒なんて、そもそもどうやって解いたら良いの?」という学生も当然、出て来ます。

そのような学生には、こう指導します。

時間の重要性ポイント②

「読解」は「探解」。

文章は読んではいけない。探すこと。

文章を「読んではいけない」、「探す」こと。とはどういうことか。

読解の対策授業をしているときに見かける光景なのですが、上級のよくできる(日本語力の高い)学生が問題を解いている時に笑ったり、頷いたりすることがあります。その問題を見てみると実際、私自身が事前に解いてこれは、問題文(筆者の意図、主張)に対して反応しているということなんですが、どうして反応しているかというとそれは「文を読んでいる」からです。

できる学生ほど文章が分かるため文章を1つ1つ理解しながら読み進めようとするのです。それが結果として時間を奪うことになってしまうわけですね。

そうではなく、読解問題は「探す」のだと「探解」なのだと教えてあげましょう

これは、つまりスキャニング、スキミングのことを言っているわけですが、学生には「読んではいけない、探すのだ」と強調しつつ説明すると良いです。

問題を解く流れ

時間の重要性が学生に伝わったところで、続いては問題を解く順番を教えます。

必ずこの順番で解くよう指導します。

実際の問題文(モザイク入りですみませn。)で確認するとこんな感じ。↓

1、出典の確認。

 大意把握。タイトルを読めば、その文章の内容が読まずとも分かる場合がある。

 れい: 人を活かす経営 松下幸之助著

 →「人を活かす経営…経営についての本で、経営者視点である。

   人(材)をどう用いれば良いのかについて書かれているなど。

2、設問を読む。

 どういった設問かにより、問題文の解き方が変わる

3、選択肢をよく読む

 設問からの流れで、読み手の一般常識や、選択肢中の表現により選択肢を絞ることが可能。

4、本文を見る

「読む」ではなく「探す・見る」こと。特に上級レベル学生向け。

 まず探すのは、接続詞、文末表現、キーワードの3つ。選択肢にある言葉の「言換え・類似表現」を探すことも重要です。

この流れの中で、言いたいこと。もうお分かりかと思いますが、どれだけ本文を読まずに済ませるか。言い換えれば、如何に本文を読むという負担を軽くできるかがポイントだということです。

短文形式でも500字はある文章を1題ずつじっくり読んでいっては、それこそ時間がいくらあっても足りません。読むべきところはどこか、逆に読まなくても良いところはどこかなど、本文を読む前からある程度絞っていかなければなりません。

教師はその手助けをしてあげるわけです。

でも、これって実は何も日本語指導に限ったことではないことが分かりますよね。日本人が普通に読解問題を解くときも同じような手順で進めることってないですか。ご自身の経験上でも。

正答を選んではいけない

「正答を選ぶな」とは要するに「消去法」のことです。

知っている(実践している)学生も当然いますが、この読解対策の授業で改めてその重要性を教えてあげましょう。

上述した問題を解く流れ3の「選択肢をよく読む」は、選択肢にはこう書いてあるけれど一般的(背景知識から)にはこうだから、間違ってる・おかしいよね、と判断できることがよくあります。

EJU読解でいえば選択肢が4つなので、その中の1~2つは本文を読まずに消せるということ。

確率的にも選択肢4つのうち3つは間違っているわけですから、「誤答」を消した方が早いのです。

正しい答えを選ぼうとすると、いつまで経っても終わりませんし、分かりません。ですから、まず選択肢の中に間違った答えがないかよく見ましょう。
本文を読むのは、最後の最後です

設問ごとの解き方パターン

では、ここから設問ごとのパターンと解き方のポイントを解説していきますが、基本的に時間重視であることに変わりません。

さらに繰り返しになりますが、ここまでで、出典→設問→選択肢チェックまでの流れは終わっています。選択肢も2~3に絞られていて、さあいよいよ本文を読んでいくか(見ていく)という段階です。

ただここでも、もう一手間かける必要があるのです。

…それが、こちら↓

どの設問においても本文に入る際には、まず接続詞のチェックからさせましょう。中でも重要なものとして、「しかし」「でも」「ところが」等の逆接系の接続詞。次に「つまり」「すなわち」等の言い換え系。最後に「だから」「そのため」「したがって」等の順接系。この3つは最低限チェックしてから本文に入ります。特に「しかし」はめちゃくちゃ重要です。

では。設問です。よく出題されるパターン6つとその解き方。

設問例1:筆者の最も言いたいことは何ですか。

設問例2:筆者が~と思った・考えているのはなぜですか。

設問例1、2のポイント

設問例の1、2は、よくある筆者の主張について問う問題です。この問題が出たときに、まず見なければならない点は、2つ。接続詞と文末表現です。まずは、「しかし」「つまり」などの接続詞などをチェックする。その直後の一文に「~べき」、「~た方がいい」などの文末表現があればそれが答えです。←これは分かりやすい例ですが。文末表現には、筆者の主張・考えそのものが現れます。

設問例3:筆者は~について、何と・どう【言っています・述べています・考えていますか。】

設問例4:〜について最も適当なものはどれですか。

設問例3、4のポイント

この2つの問いは、文章の一部分だけを読んで判断するのはなかなか難しいので、全体を見る必要があります。その際のポイントは、選択肢です。選択肢に書かれていた内容に一致しているものがあるか、あるいは違っているものはないか、探すのです。

そして、選択肢にある言葉と類似した表現がないかをチェックすることも重要です。

設問例5:( A )に入るものとして、最も適当なものはどれですか。

設問例5のポイント

この空欄補充問題に関しては、常々空欄の前後だけ読めば良いと指導しています。( A )の前後の文、もし前後になければさらに上下に広げていく。決して文頭からは読んではいけないと

設問例の1~4に共通して言えることですが、どうしても時間がないときなどは、文章の最終段落からチェックするよう指導します。

とにかく特訓あるのみ

EJU読解対策でのポイントは先述してきた通りです。

あとは、2週間先のEJU本番に向け特訓あるのみ。とにかく問題の数をこなし、この記事でお伝えして来た型を覚えこませます。

1日1回(25題)を5日間続けることが理想です。5日続けて、6日目からは1回目に戻って繰り返す。同じ問題を何度やっても構いません。

大事なのは解き方の型を身に付けることです。

EJU読解の教え方まとめ

今回は、EJU日本語の読解について、その教え方をお伝えしてきました。

私が当初、読解対策の授業をしていて気になったのは、時間切れで最後まで問題を解けずに終わってしまう学生が毎回いたことです。それもよくできる学生なのに、です。

また時間をかけて解いてもそれが正答率に結び付くとは限りませんし、次の問題の方が解き易かったということもあります。

そこで、いかに問題を最後まで解かせ、さらに得点力を伸ばすにはどうしたら良いのかということを試行錯誤しながら教えて来ました。

とにかくEJU読解は「時間」「訓練」「少しのテクニック」です。2週間もあれば、得点力を付けることは十分に出来ます。

おまけ・EJU読解の教え方が「さらに」上手くなるコツ。

最後におまけとして、読解の教え方がさらに上手くなるコツをご紹介します。

それは。。。

教師自身が実際に問題を解く」ということです。読解全25問。

日本人、それも日本語の先生なわけですから、通常40分のところ20分で

1問でもミスしてはいけません。

それが出来たら、今度は問題を変え15分で解く。1問あたり36秒です。

それを少なくとも学生が解くのと同じ問題・回数行います。

このとき、重要な点は問題を解きながらどこをどう見て、どこにチェックを入れているかなど意識して欲しいのです。それが、そっくりそのまま指導のポイントになるはずです。

EJU読解対策におすすめの教材3選

本記事の最後にEJU読解対策におすすめの教材を3つご紹介します。

【1冊目】

まず1冊目は先の「使用するテキスト」でも述べた教材です。
新・日本留学試験実戦問題集読解―アカデミック・ジャパニーズ重点攻略



私自身最初の対策本ということで随分お世話に(勉強に)なりました。

教師にも学生にもいい本でおすすめなのですが、現在品切れ中(絶版ではない?)とのことで入手困難な状態となっています。。。泣 

Amazonのマーケットプレイスやメルカリなど中古本でしか手に入りません。しかも超高額。。。怒

【2冊目】

日本留学試験対策問題集 ハイレベル読解100



こちらも発売から10年。良書です。

「読むんじゃない探すんだ」というメッセージがずばり書いてあり、読解問題を解く上でのテクニックも豊富です。問題数も100題と対策本の中でも多いため、短期集中で数をこなすという意味でも適しています。

ただ、問題がポイントが分かるような作りであるため、本番のものと比べると易しめだということです。上級のできる学生には少し物足りないかもしれません。

なので、この教材はEJU初受験の中級~中上級レベルの学生向けと言えます。

【3冊目】

日本留学試験(EJU)予想問題集 日本語 記述・読解



こちら啓程塾という近年、急増している中国人留学生向けの塾が作った予想問題集です。

このテキストのポイントは何より問題数が全10回分あるという点です。まさに対策授業向けといった感じ。

ただ正直、解答には怪しい点が散見されますので、その点教師がカバーする必要があります。

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