【リアル教案公開】みんなの日本語2課。初級・語彙導入のやり方!!

どうも! のりまき、です。
今回は、みんなの日本語2課の語彙導入の実例をご紹介します!

みんなの日本語2課。さすがにこの2課では、学生とコミュニカティブにというのもそうそうしんどいです。教師の発言が止まると、「‥‥」。
一気に静寂が訪れます。(反応が薄いというわけではなく…)
また、語彙のコントロールも非常に難しいところではありますが、そこまで気にすることもありません。

ゆっくり大きな声で発言するよう心がけると良いです。

そのため、ドリルを少しでも増やし学生の口を動かすよう展開していきましょう。PCも必須です。

この記事の最後に今回ご紹介した導入例の教案をお付けしました。
絵カードを出すタイミングやポイントも載っているので、ぜひ参考にしてみてください。ワードで作成しているので、ご自由に編集してお使いください。
ただ。。。今回も
語彙導入の部分のみです。

とはいえ、文型導入もこのトピック(流れ)で入れられますので、大丈夫。
どうぞ。よろしく。

使用テキスト

「みんなの日本語初級Ⅰ本冊」


初級語彙導入の考え方

 初級語彙導入の考え方

  • 語彙は一部の課を除き、ストーリーの中で入れます。紙芝居(絵を見せるだけ)はしません。
  • 導入語彙は、基本的に動詞・形容詞は必須。名詞や表現などは、「会話・練習問題」を教える際にまとめて導入しますので、ストーリー上無理なく入れられる場合は導入しますが、無理には扱いません。また副詞は文型につながることも多いため、文型導入の際に入れることが多いです。
  • また、1課~6課までは教室用語として以下の言葉を翻訳付で事前指導を済ませていることが前提です。
    • 始めます、終わります、休みます(休み時間です・お休みです)、見てください、言ってください、聞いてください、書いてください、良いです、だめです、宿題です、テストです、分かりますか

そもそもストーリーで語彙を入れるって何、どういうこと?という方は、まず下の記事をご覧ください。

※導入時に使用する絵カード(PC)は、みんなの日本語公式絵教材を使用しています。

絵カードは様々ありますが、なんだかんだこちらの一択。

あれこれ悩むのは時間の無駄です!純正が一番なのです。


みんなの日本語初級1 第2版 絵教材CD-ROMブックより

みんなの日本語2課 学習項目・語彙一覧

学習項目

  1. これ/それ/あれは~です
  2. ~は~ですか、~ですか
  3. ~の~ (内容)
  4. ~の~ (所有者1)
  5. ~は~のです (所有者2)
  6. この/その/あの~は~のです
みんなの日本語第2課 新出語彙リスト

 名詞

これ それ あれ この その あの 本 かばん 辞書 ノート 鉛筆 ボールペン 

シャープペンシル 新聞 雑誌 手帳 鍵 時計 傘 名刺 カード ⑮テレビ ⑯ラジオ

CD カメラ コンピューター 車 英語 日本語 チョコレート  コーヒー 

(お)土産 机 いす 何 そう

会話

これからお世話になります こちらこそどうぞよろしくお願いします

その他

あのう えっ どうぞ どうもありがとうございます そうですか 違います あ

【教案公開】みんなの日本語2課 語彙導入

導入時に使用する絵カード(PC)は、基本的にみんなの日本語公式絵教材を使用しています。それ以外、例えば私が作ったPCなどは教案(記事)に載せています。なので、教案上語彙が唐突に出て来るように感じられるところも多々ありますが、これらは全て上記の公式絵教材に掲載されているイラストを説明しているものとご理解ください。

教案の見方
  • T(teacher)
  • S(student)
  • MM(Mimicry-Memorization Practice)コーラス練習のこと。
  • PC(picture card)絵カード 
  • FC(Flash card)語彙カード
  • 理解語彙(既に知っている言葉)
  • 未習語彙(習ったことのない言葉)
  • 語彙拡大(その課で習う語彙ではないが、知っておくべき語彙として導入すること)

今回の導入語彙

①かばん ②本 ④辞書 ③ノート ⑤鉛筆 ⑥ボールペン ⑦シャープペンシル

⑧新聞 ⑨雑誌 ⑩手帳 ⑪鍵 ⑫時計 ⑬傘 ⑮名刺 ⑭カード ⑮テレビ 

⑯ラジオ ⑰CD ⑱カメラ ⑲コンピューター ⑳車 ㉑英語 ㉒日本語 

㉓チョコレート  ㉔コーヒー ㉕(お)土産 ㉖机 ㉗いす

T:見てください。【】です。言ってください。机

  ※教室の机(教卓)を両手で示しながら。

S:MM

T:(それから、これは)【いす】です。言ってください。いす

  ※実際のいすを指して

S:MM

T:いいです。では見てください。【かばん】です。

 言ってください。かばん。

 ※教師のかばんを机の上に置いてから、そのかばんを指して。

 ※言ってくださいと言いながら、手で発話を促す。

S:MM

T:見てください。【】です。言ってください。本。

 ※かばんから、本を取り出して。以下同様に、Tのかばんから、

 取り出して提示していく。

S:MM

T:【ノート】です。言ってください。ノート

S:MM

T:では、見てください。【】です。辞書、言ってください。

S:MM

T:【鉛筆】です。言ってください。鉛筆

S:MM

T:【ボールペン】です。言ってください。ボールペン

S:MM

T:では、【シャープペンシル】、【シャーペン】も良いです。

 ※板書「シャーペン」

 言ってください。シャープペンシル。シャーペン。

S:MM

T:はい、いいです。では見てください。【新聞】です。

 新聞、言ってください。

S:MM

T:【雑誌】です。言ってください。雑誌

 ※ファッション誌など分かりやすい。

S:MM

T:では、見てください。【手帳】です。言ってください。手帳

S:MM

T:では、見てください。【】です。鍵、言ってください。

S:MM

T:では、見てください。【時計】、言ってください。時計

 ※教室の壁掛け時計を指して。

 腕時計は別途「腕時計」として語彙拡大を図る。

S:MM

T:はい、いいです。では見てください。【】です。

傘、言ってください。

 ※この場合の傘は折り畳み傘でも構わない。

S:MM

T:では、見てください。

 ※財布を出して

S:…

T:【財布】です。(そして…)見てください。 

 【カード】です。言ってください。カード

 ※財布などはダミーで構わない。

 ※キャッシュカード、クレジットカードなどまとめてカード。

  余裕があれば、どちらも導入して構わない。

S:MM

T:いいです。見てください。【名刺】です。言ってください。

 名刺。

S:MM

T:はい、いいですね。では絵を見て言ってください。

 ※__未習だがそのまま。

 ※PCの絵ひとつひとつを指しながら。

S:鉛筆、ボールペン、シャープペンシル

T:では、言ってください。

S:手帳、名詞、カバン、カード、鍵、傘、

T:では、言ってください。

S:本、辞書、雑誌、新聞、ノート

T:はい。いいです。

 では見てください。【テレビ

S:MM

T:【ラジオ

S:MM

T:【CD

S:MM

T:【カメラ

S:MM

T:はい、いいです。では、(これを)見てください。

 【コンピューター】。

S:MM

T:【

S:MM

T:いいです。では、見てください。車ですね。

  では、これは

 ※言いながら、「FC:car」提示

 ※__未習だが、そのまま流す。

S:car(くるま)です。

T:そうです。Carです。車ですね。Carは【英語】です。

 車は【日本語】です。

S:MM

T:ではSさん、車、中国は?

 ※中国のSに聞く。

S:车です。

T:はい。言ってください。日本語、英語、中国語、ベトナム語、、、

S:MM

 ※クラスのSに合わせて

T:はい、いいです。では、見てください。

 【チョコレート

S:MM

T:見てください。【コーヒー】。

S:MM

T:では、見てください。【お土産】。

 ※PCのお土産を指して。少し間をおいて、絵で意味を類推させる。

S:MM

T:はい、いいです。ではもう一度言ってください。

S:MM ALL

※(  )内の言葉は未習ですが、発言したとして気にすることはないという意味です。

2課語彙導入まとめ・教案ダウンロード

みんなの日本語2課。

教案をご覧になってお気づきだったでしょうか。

そうです。トピックがないのです。問いかけに対する応答から、授業を展開していくことは当たり前ですが、ほぼ不可能です。なので、最低限、意味的なまとまりで語彙はさっさと入れてしまい文型導入に入った方が良いです。

また教案(特に序盤)では、PCを提示するときメリハリを効かせるため「では、見てください」と教師の発話を入れていますが、それが逆にテンポを悪くするようなら、カットも有りです。

繰り返しになりますが、1課・2課(動詞が入るまで)では、ストーリー的語彙導入はいったん脇へ置いといて、「紙芝居的語彙導入」でもってサクッと済ませた方が良いと思います。

では。

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