どうも。のりまき、です。
コロナの感染拡大の影響により、学生のみならずとうとう教員まで、、、。
ということで、先日、久しぶりに代講に入ることになりました。当日朝判明です。
担当クラスは初級前半。テキストは、「みんなの日本語初級Ⅰ」です。
他には漢字やら、宿題の答え合わせやらです。
あいにく私の場合、教案、教材は自宅PCのローカルに保存していて、クラウドにもありません。
さてどうするか。
作るしかありません。。。過去に作ったことがあるとは言え、かんなり昔のこともう覚えていません。幸い午後の授業なので時間は多少あります。
他の業務の合間を縫って、合計1時間ちょっとは確保できそうです。
さらの状態から教案→教材まで。
で、今回は以前に書いたこちら↓の記事のダイジェスト版だと思っていただけれは結構です。こっちは結構の長いので。
それではいってみましょう。
1、導入文型から、「例文」⇔「トピック・場面」を考える。
基本は導入する文型から、例文を考えていきます。文型を分析するという意味で例文を書きだし、その中から適当なものを1つ選び導入例文とする。それが王道だからです。
…が、今回のように時間がないとき(教授経験がある)、例文とトピック同時に考えていきます。
例文から先に考えるか、トピックから先かで言うと、導入文型を見てパッと適当な例文が思いつくこともあれば、反対にトピックの方が先に思い浮かぶこともあるので、何とも言えません。
さて。
今回、教えることになったのは、みんなの日本語初級Ⅰ、21課「A-2~と思います」「A-3~と言います」の2文型だったので、こちらを例に考えていきましょう。
「~と思います」には、大きく「推量」と「意見・感想」の2つに意味が分かれ、今回は「意見・感想」の方です。
「意見・感想」なので、話の展開として何かテーマについて、良い、悪い、便利、不便などを言っていくような感じならいけそうですが、その後の「A-3 ~と言います」にも繋がるようなトピックにしなければなりません。
トピックで言うと初級の場合、日常、身の回りにある物や出来事から持って来るのが定石です。中級の場合も基本的には同じですが、これにニュースが加わる感じです。
…で、学生の身近にあるもので、良い悪いなど意見・感想の出やすいもの…ということで
今回は「スマホ」をトピックに持って来ました。
例文は、「スマホは便利だと思います。」でいくことにします。
また「A-3~と言います」の例文は、「先生が(授業中に)ゲームをしてはいけないと言いました」です。
これならスマホというくくりの中で文型2つ入れることができます。
ちなみにスマホは未習語彙です。学生にスマホを見せると、「ケータイ」と答えます。なので、ここでさくっと語彙拡大をしておきます。
というわけで、授業で提示した例文がこちら。
2、「トピック」から導入の流れを考える。
トピックと例文が決まったら、導入の流れを考えます。導入とは、トピック(話)をどう切り出し、どう導入文型(例文)まで持っていくか、です。言い換えれば、今回の導入文型を学生の口から言わせる(引き出す)にはどうすればいいのか、その流れを考えます。
教師:「スマホはどうですか?」
学生:「スマホは便利だと思います」
いきなりスマホはどうですか?と聞いて即「はい。便利です(だと思います)」とは当然なりません。なので周辺から攻めていくわけです。
教師:みなさん、毎日の生活はどうですか。毎日の生活、何が必要ですか。
学生:お金!
教師:お金じゃなくて。。。いまとても暑いですね。エアコンはどうですか。
必要ですね。それから何が必要ですか。
学生:…自由回答(または教師が提示しても可)
教師:ではこの中で何が一番、必要ですか。
学生:スマホ(ケータイ)
教師:そうですね。スマホですね。スマホはどうですか。便利ですか。
学生:便利です
教師:便利だと思います。
学生:便利だと思います。
教師:はい。スマホは便利だと思います
3、文型の意味整理
トピック、例文、導入。ここまで終われば後は作業です。
文型の意味整理とは、文字通り文型の意味を説明すること。。。
それと接続の確認です。
今回で言えば、~と思います、~と言いますになるわけですが、これは語彙として既に意味自体は入っていますので、たとえばこんな感じで説明します。
教師:「~と思います」は私の意見や気持ちを言いたいです、使います。
※ジェスチャー胸当て
教師:「~と思います」前は、普通形です。
4、ドリルを考える
最後は、ドリルです。ドリルについてはこちらでも書いていますが、今回は代入変換ドリルと質問応答ドリルでいきます。その他、MM(ミムメム)は都度行います。
【~と思います】
れい:
____と思います
Que スマホは高いです・コンビには便利です…等々キュー10個
教師:スマホは高いです
学生:スマホは高いと思います。
【~と思います】
れい:
教師:スマホは何が便利ですか。
学生:【自由回答】…写真・インターネットが便利です。等々
回答は学生によって、単語、文レベルと様々ですが、止めてはいけません。
なお、ドリルについてはこちらの記事に詳しく書いていますので、よろしければどうぞ↓
補足、トピックの統一性に注意する
1~4までが1文型導入の流れ(型)です。あとはこれを文型ごとに繰り返します。
ただ、1でも述べたように文型が変わっても、トピックは統一したもので入れていきます。たとえば、「~について」の導入では、A-1で一通りスマホのメリットについて確認した後、今度はスマホのデメリットを問題提起のような形で提示します。
例えば、PC(ピクチャーカード)でiphone5と最新のiphoneの価格を比較させ質問します。
教師:iphone5はいくらでしたか。分かりますか。日本のお金です。
学生:○○円です。
教師:〇〇円です。では、iphone13はいくらですか。知っていますか。
学生:○○円です。
教師:いいえ。○○円です。←価格差を強調。
みなさん、iphoneは高いですか。安いですか。
iphone(の値段)について、どう思いますか。 ←提出例文
こんな感じです。問題提起というとちと大げさですが。。。
本当はiphone「の値段」まで入れたいところです。なので、余裕があれば語彙拡大として値段を入れても良いと思います。私は今回、急いだため省略しちゃいました。
続くA-3の「~と言います」も同様に流れを保ちつつ導入していきます。
まとめ
今回のように時間的な制約があるときは、とにかくトピック(場面)か例文どちらかをまず決めること。それが一番大事♪です。
それができれば、後は早いです。
さらに時間がないときは、、、
「教案」を頭の中で書きながら、「教材」を作っていく。
これです。
トピックは、導入文型に対してどんな切り口(話題)で入るかということ。そして、場面とは文型をどこで誰に、どんなシチュエーションで使用するのが適当なのか。その文型を使うのに一番ふさわしい状況のこと。どちらも同じ様な意味合いで使うことが多いです。